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要が「認めたもの」(君と僕。2:第十二話「赤裸々」感想その②)

2012.06.20 17:04|その他のアニメ
昨日の記事の続きです。
今回は、要に関して中心的に書いていこうかなと思います。

それでは、追記からご覧ください。




○要が読み替えた自分の「想い」

今回の話は、要が静奈の結婚を知るところから動き始めます。
要の受けた衝撃は筆舌に尽くしがたいものだったでしょう。
要が教室でぼんやりと本を眺めている場面は、特に目立ちますね。
ここは新聞を眺めて、切なそうな表情を浮かべていた日紗子に被ります。
そして、思い悩む要はやがて三人での食事を避けようとします。

何故、要は静奈を露骨に避けようとしたのでしょうか。

けだし、静奈の近くにいることによって、
自分の想いが「あこがれ」以上の何かであることを自分で悟らないようにするためです。

日紗子との会話で、要は静奈への感情を「あこがれ」と語っていますが、
後の草相撲のシーンで分かるように、実際は「あこがれ」以上の「想い」です。
それが恋愛感情かどうかは明言されませんが、「あこがれ」以上であることは明らかです。

その事実を認めずに、静奈への感情を「あこがれ」だとしておくために、
静奈の近くにいることを拒否したのだと思います。


では、静奈への想いを、何故「あこがれ」にしておく必要があったのでしょうか。

これには、静奈が結婚をすることになったことにより、要が陥ったジレンマが関係しています。
「要の想い」「静奈の結婚」の間のジレンマです。

「あこがれ」以上の要の「想い」は、要の中で、おそらく「結婚」と両立しないものでした。
ゆえに、「結婚」が決定づけられた今、要の「想い」は変わることを迫られます。
これは要にとっては多分失恋のようなもので、耐え難い傷をもたらすものでした。
ゆえに、この「傷」から、要は逃げたのではないでしょうか。
自身の「想い」を「あこがれ」であると言い張ることで、傷つかないようにしたのです。
要らしい、自己防衛のための頭のいい手段と言えるでしょう。

しかし、「あこがれ」と言い聞かせてみても、静奈の近くにあると、
自分の想いがそれ以上のものであることを悟らざるを得ない。
だから、静奈を避けたし、日紗子にも「あこがれ」であると説明したのです。


要は、子どもの頃から抱えていた淡い想いを、抱え続けていたかったのだと思います。
それは静奈との関係を変えたくないという考えと結びついています。
要は子どもの頃のまま、今後も静奈と関わっていたかったのでしょう。

ゆえに、自分の想いを「あこがれ」という、
「結婚」と対立しない想いに読み替えて、これまでの関係は変わらないということを、
自分に言い聞かせることを選択したのではないでしょうか。


けれども、それは要が自分についた「嘘」でしかありません。
要の想いは実際は「あこがれ」ではなく、また二人――日紗子を含めば三人――の関係は、
「結婚」によって変わらざるを得ないものでした。
要はこれまでの関係に決着を付けなければいけなかったのです。
どんなにそこから逃げたくても。



○要の決着

「想い」を「あこがれ」と言い換えて、関係を変わっていくことを拒否し、
逃げていた要の背中を押したのは、日紗子でした。
静奈への想いが「あこがれ」でないことに気付いていた日紗子は、
要に「さっさと告白しろ」と吐き捨てた上で、要にそのチャンスを作ってあげます。
それが要と静奈の買い物のシーンです。

そして、クライマックスと言える、要の決着の部分です。
ここで要が「告白をしなかったこと」には大きな意味があると思います。

私が思うに、その必要はなかったのです。
静奈の近くにいて、これまでの関係を思い出していく中で、要は認めました。
自分の「想い」が、「あこがれ」以上のものであったと言うことを。
それは「それでも、おれは……」の後に続く部分です。

確かに要は付き合いたいと思っていたわけではありませんでしたが、
「それでもおれは」の後に続くことを望んでいたのです。
ここは静奈どころか、視聴者にも明かされません。
しかし、要はその後を知っています。
それが、要のこれまでに抱いていた「想い」そのものだったのです。
明らかに、「あこがれ」という段階を超えているように見えます。

確かに、ここで要は告白はしていません。
しかし、彼は自分の中で静奈への「想い」を自分で「認めて」
子どもの頃からの関係に一度決着を付けたことは間違いありません。

要は、子どもの頃からの関係、そこに含まれる「想い」を変えたくなかったために、
「想い」が「あこがれ」であると考え、静奈たちから逃げていました。
その逃避の状況は、彼が自身の「想い」を「認めた」ことで終わったからです。
彼はここで「結婚」により変わることを受け入れたのだと思います。

以上のことは「草相撲」にも表れています。
この場面でちょうど、「子どもの遊び」である草相撲の決着が付きました。
子どもたちは笑います。
「大人なのに子どもの遊びしてる」。
ここで二人の草相撲はおしまいになるわけです。

子どもたちの言葉は、「結婚」により関係を変えていかなければならないのに、
子どもの頃からの関係を継続させたいと望み、
変わることから逃げていた要への言葉だったように思います。

もうそうではいられないのに、子どもの頃からの関係に執着していた要。

しかし、「子どもの遊び」である草相撲は終わりました。
これが要の中で「子どもの頃の関係」に対して決着を付けたことを意味していると考えます。


要は「子どもの頃からの変化」、すなわち「大人になること」を認めたのです。
だから告白はしていなくても、彼は立派に決着を付けたと言えます。



○日紗子と要が「認める」物語

前の記事の内容も踏まえて話をまとめると、以下のようになります。

まず、子どもの頃からの三人の関係というものがありました。
日紗子は要に、要は静奈に淡い想いを抱いており、その間で静奈が微笑んでいる。
「結婚」によって、この関係は一度終わり、別の関係が構築されていくことになります。

これに対して、要と日紗子がどうするかというのが今回の話です。

第一に、要は関係が変わることを拒否しました。
自分の「想い」を「あこがれ」と読み替え、静奈に会わないことによって、
これまでの関係を継続しようとしたのです。

「想い」が叶わないと認めて傷つくことを避けた結果とも言えます。

第二に、日紗子は長らく関係を変えたいと思っていましたが、動けませんでした。
三人の関係の変化のためには、要が静奈の想いに決着を付けることが必要ですが、
要にそう告げることは、最も認めたくない、要が静奈のことを好いているという事実を、
言葉に出すことによって、認めてしまうことになるからです。

ゆえに、しばらくは膠着状態でした。

しかし、要が逃げているのを見て、日紗子は「告白しろ」と言いました。
これは日紗子にとっての決着でした。
彼女は、要は静奈が好きという事実を「認めて」、要の背中を押しました。

これを助けに、要が今度は決着を付けます。
「それでも、おれは」の先。
そこにあった本当の静奈への「想い」を、要は「認めて」、決着を付けました。

ここで重要なのは、二人とも「告白」しないということです。
流れからして、日紗子は要へ、要は静奈へ告白してもよさそうなものですが、しません。
今回は二人が「認める物語」だったのです。

結論として今回の話は、「これまでの関係」から動けなかった二人が、
それに一旦決着を付け、「これからの関係」へ向かうまでを描いたのではないでしょうか。


最後の場面での日紗子の「前髪をのばす」宣言は、「これからの関係」への第一歩に見えます。

テーマ:君と僕。
ジャンル:アニメ・コミック

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