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紡がれていく「三人」という関係 (華々つぼみ『放課後アトリエといろ』)

2013.06.29 15:33|その他の漫画
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今回は、華々つぼみさんの作品を紹介したいと思います。
結構ボケボケな寧々(ねね)と、しっかり者な香(かおり)を中心として、
二人の所属する美術部での日々をほんわかと描いていく本作。
その最大の特長は、「一人で」よりも「二人で」が重視されていることです。
「寧々」だけでなく、「寧々と香」という風に、登場人物の「関係」が凄く大切にされています。
「一人でも可愛い、けど二人だともっと可愛い」。
そのような文句がぴったりと当てはまる作品ではないでしょうか。

この作品の四巻が先日発売されましたので、華々つぼみさんの作品を語ってみます。
同じく華々つぼみさんの手による『コドクの中のワタシ』の話も交えていきますので、
もしよろしければ少しの間お付き合いください。



○紡がれる「三人」という関係:「二人」でも「三角関係」でもない「三人」


まず、個人的には白眉だったと考える、四巻のとある部分を引用します。
寧々と香の同輩である、すみれが級友に唆されて、
文化祭の「ミスメイドコンテスト」に立候補する場面です。

「ねえ華村さんが遊園地好きって知ってた?」
「なにそれっ 知らない!! だいたいなんで香のこと!?」

――よしっ

「このコンテストの優勝賞品…なんと遊園地のペアチケットなんだよっ!!」
「え!?」

――か、香と二人で遊園地…
 あ だめだめ 寧々がいるんだし 三人じゃないと
 そうだ寧々の分は三人で出し合って… そうすれば (4巻42-43ページ)


すみれは香の中学のときの同級生で、昔から香のことが大好きだったのですが、
その彼女が香との二人よりも、寧々も含めた三人を選び取っています。
これは一巻の時点では考えられなかった選択です。
実際、初登場時においては、すみれは香の傍にいる寧々をほとんど敵視していました。

「あ…あの この人は…」
「あ えっと 私の中学のときの同級生 同じ写真部だった」
「葛城すみれ …よろしく」

「ねえ この子だれ」
「え」
「入学式の日からいつも一緒にお昼食べたり
 一緒に帰ってるこの子は誰って聞いてんの」

――なんで知ってるの!? (1巻152ページ)


このように、香の傍にいる寧々に対してにべもない態度を取っていたのです。
当初、香と寧々とすみれの関係は、香を真ん中とした「三角関係」だったと言えます。
それが、同じ日々を過ごした末に、最初の引用のように「三人」を選ぶまでになる。
そこには、「三角関係」から「三人」への、明らかな進展を見出せます。

私は「三角関係」から「三人」へという、この変化こそ、
『放課後アトリエといろ』の見所の一つであると思います。
通常、「三角関係」は対立を含む不安定な関係と規定され、
「二人」になることが終着点に選ばれることが多い気がしますが、
この作品はそうしないで、それが「三人」になっていく様を描くのです。

そしてここに現れる「三人」という関係が、とても魅力的に描かれています。
香と寧々とすみれにせよ、成と藤乃と静にせよ。

この「三人」という関係は、『コドクの中のワタシ』の中にも見出せます。

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これは、宇宙人や吸血鬼、天使やエスパーやケモノっ娘など、
一癖も二癖もある生徒たちを集めた教室に、
極めて普通な高校生・真由が放り込まれるところから始まる物語です。
そこで真由は、特に宇宙人であるぐれ子に気に入られるのですが、
ある日、ぐれ子が人間の身体に寄生していたことが明らかになります。
その、ぐれ子の宿主である少女、麗華は真由に次のように語ります。

「わ 私はぐれ子さんに出会うまで、外に出るどころか
 歩くことさえままなりませんでした…
 そんな私を救ってくれたのが…ぐれ子さんなんです。
 私の命の恩人… 神様……
 私は面と向かって会うことすらかなわない憧れの人なのに
 それをあなたは毎日毎日ベタベタと……」(中略)

「けれど毎日ぐれ子さんと意識を共有して、
 真由さんを見ていて き 気づいたんです……」
――ちっ 近っ…
「どうせ叶わぬ願いならいっそ… いっそのこと…」
――私、もうだめかも…っ
真由さんの事を すっすす 好きになってしまおうと!!」 (1巻106-107ページ)


麗華は、自身の憧れであるぐれ子に近づいていく真由に対抗すると見せかけて、
彼女のことを何故か好きになってしまう方向に行くのです。
ここでも、ぐれ子を中心にした典型的な「三角関係」ではなくて、
真由とぐれ子と麗華という、ちょっと不思議な「三人」の関係に至っているのが分かります。
この三人の関係は、二巻でも面白い部分ではないかと思います。

さて、色々と述べてきましたが、『放課後アトリエといろ』にせよ、
『コドクの中のワタシ』にせよ、「三人」という関係だけが美点であるというわけではありません。
例えば先述したように、「二人」の関係も作品の特長と言えるでしょう。
しかし、「三人」という関係もそれに負けないぐらい、作中で際立っているように感じます。

「二人」でも「三角関係」でもない、「三人」という関係。

もし既に作品をお持ちの方や、購入した方がいらっしゃったら、
そこに注目して今一度読んでみると、新たな作品の魅力を発見できるように思います。
ここに来て『放課後アトリエといろ』の四巻の表紙は、楽しそうな「三人」の姿なのです。


テーマ:4コマ漫画
ジャンル:アニメ・コミック

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