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「穂乃果の物語」ではなく「三人の物語」として (ラブライブ!第三話感想)

2013.01.26 20:48|ラブライブ!
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周囲で噂になっていたので、今期は『ラブライブ!』を視聴しております。
それが三話で一区切りでしたし、私の生活の忙しなさも一段落したので、
この辺りで一本記事を書いておこうと思い立ったわけです。
一言で私の感想を言えば、とても面白いアニメだな、という印象です。
ニコニコ動画で一話が現時点ではまだ見られるので、
興味のある方は視聴してみるといいかも知れません。

三話までのストーリーは、さくっと概括すると以下の通りです。
母校を廃校にしないために、スクールアイドルとなって生徒を集めようと決意する穂乃果。
幼馴染の二人も巻き込んで初ライブに漕ぎ着けるも、客はほとんど入らず「完敗」する。

このような「完敗」までの物語でした。
表現上の特徴としては、歌を物語の中に上手く挿入することによって、
ミュージカルのように仕上げているという点が結構印象深いです。


さて、三話までの強調点の一つとして、「穂乃果の牽引力」が挙げられると思います。
アイドル活動を決意して、友人二人を巻き込む穂乃果。
曲を作ってもらうために、真姫のところに何度も通い、ついに説得する穂乃果。
「完敗」してもなお、やりたいから続けると宣言する穂乃果。
確かに様々な場面で、周囲を引っ張っていく彼女のパワーは表現されています。

しかし、ここまでのラブライブ!は、主人公である穂乃果が周囲を巻き込んでいく、
「穂乃果の物語」としてだけ解釈できるわけではありません。
同時に、アイドル活動を行う「三人の物語」としても解釈できます。
この物語においては、穂乃果という個人だけでなく、三人の関係が非常に強調されているのです。

それは換言すれば、「μ'sというユニット」に光が当てられているとも言えます。
私は三話までを見ていて、ユニットの構成員を物語の軸にするのではなく、
「μ'sというユニット」自体を軸に物語を作っていこうという気概を何よりも感じました。
今回は私にそう感じさせた部分を特に取り上げていきたいと思います。
それは三話までを「三人の物語」として読み解いていくという試みです。

もしよろしければ少しの間お付き合い下さい。



(1)一話における三人の信頼


第一に、作中では「三人の信頼」が非常に強調されていました。
とりわけ一話のシーンを抜粋して論じていきます。
取り挙げるのは、海未とことりがアイドルをやると決意する場面です。
ここで、海未とことりの、穂乃果への信頼が示されています。

「やっぱり、上手くいくなんて思えません」

「でも、いつもこういうことって、穂乃果ちゃんが言い出してたよね。
 私たちが尻込みしちゃうところを、いつも引っ張ってくれて」

「そのせいで散々な目に何度も遭ったじゃないですか」

「そうだったね」

「穂乃果はいつも強引過ぎます!」

「でも海未ちゃん、後悔したことある?」


ここで二人は子供の頃の思い出を振り返ります。
そして、海未は穂乃果に牽引されて見た綺麗な夕日をこのとき想起し、
穂乃果に強引に牽引されても、後悔などしたことがないことに思い至ります。
そして、練習で転んでしまった穂乃果に手を差し伸べるわけです。

lovelive02.png

この一連のシーンでは、「三人の信頼関係」が前面に押し出されています。
穂乃果がその牽引力で二人を巻き込んでいくという物語の流れは、
海未の抵抗によって一旦堰き止められ、ここで「三人の信頼関係」の結果として、
アイドル活動は始まるという形に修正されています。

穂乃果の物語が、三人の物語へと変換されているのです。


(2)二話における三人での真姫の説得


第二に、二話で真姫に作曲を頼む場面を取り上げます。
「三人での真姫の説得」などと書くと、首を傾げる方がいらっしゃるかも知れません。
真姫を説得するために、実際に彼女を探して動き回り、彼女に語りかけたのは穂乃果です。
海未とことりは、彼女の説得に参加したわけではありません。
ただ屋上での説得の際に、穂乃果に付き添っていただけです。

それなのに、私が「三人での説得」と敢えて言うのには、もちろん理由があります。
穂乃果が音楽室で真姫を説得しようとする場面をまずは見てみましょう。
真姫に笑顔で腕立て伏せをさせた後の箇所です。

「はい、歌詞。一度読んでみてよ」

「だから私は--」

「読むだけならいいでしょう。今度聞きに来るから。
 ……そのとき、ダメって言われたら、すっぱり諦める」(中略)

--毎日、階段でトレーニングしているから、よかったら遊びに来てよ。
--私、錦野さんの歌声大好きなんだ。


そして、真姫は三人の階段でのトレーニングを見にやってきて、
その後で、「こっそり」作曲を引き受けたということにして、CDを送ったのでした。
注目すべきなのは、真姫を説得した決め手が穂乃果の言葉ではなく、
三人でのトレーニングの光景ということになっているということです。

確かに、歌声が大好きだから説得に失敗したとしてもまた聞きに来るという、
穂乃果の純粋な真姫への好意も大きな意味を持っていたように思います。
しかし、結果的に真姫は三人のトレーニングを見た「後で」決断しました。
そのことから、決め手は三人の真剣さであったと読んでいいと考えます。

結論として、穂乃果が真姫を説得するという「穂乃果の物語」が、
ここでも真姫の抵抗によって一旦停止させられて、
「μ'sの三人の物語」に変換されています。
真剣な三人のトレーニングの光景が、説得の最後の一押しになっているのです。


(3)三話における三人での問題解決


第三に、三話で人前に出られないという問題を海未が提起した場面を取り上げます。
ここでは、問題解決は三人で行うという立場が、ことりの象徴的な言葉で示されます。
以下は、海未の問題をどうにかしようと三人で考える場面です。

「はぁ、困ったなあ……」

でも、海未ちゃんが辛いんだったら、何か考えないと

「ひ、人前じゃなければ大丈夫だと思うんです。人前じゃなければ……」

「色々考えるより、慣れちゃった方が早いよ。じゃあ行こう!」


下線を引いたことりの言葉に着目して下さい。
ここでことりは、人前に出られないという海未の問題を、
自然に「三人の問題」として考えているということが分かります。
「μ's」のうちの誰かの問題は、「μ's」全員の問題と捉えられているのです。
実際に三人はこの後で、海未の苦手克服のために三人でビラ配りに向かいます。
本来であればここで、問題を抱えた海未にスポットライトを当てて、
彼女が問題を個人でどのように克服していくかということを描いて見せてもいいはずです。
しかし、物語はその方向へと展開しません。
三人で海未の問題を何とかしようという方向へと進んでいきます。
すなわち、「三人で」解決策を考え、「三人で」ビラ配りをやるのです。

もともと海未だけの問題であるはずの「人前に出られない」ということが、
「三人の問題」に置換されて、三人で解決を目指すものになっています。


この置換は、二話で穂乃果とことりの問題が提示されたときも同様でした。
二人の問題とは「基礎体力がないこと」です。
この問題は弓道部で鍛えていた海未には関係のない問題でしたが、
海未はこれを自分にも関係のある問題として考えて、解決に付き合っています。
自分の問題でないことを、自分の問題として考えられるのは、
同じ「μ's」というユニットであるという意識があるからに他なりません。

三人は同じグループだから、「共同で」問題解決に取り組むのです。

その意味で、三話の海未の問題への、穂乃果とことりの関与は、
二話の穂乃果とことりの問題への、海未の関与への応答でもあったと読めます。

事実、三話で海未の問題を解決しようとするときに穂乃果は、
「海未ちゃん、私が階段五往復できないって言ったとき、何て言ったっけ?」と言って、
トレーニングとビラ配りを結び付けています。
ここから、二話の穂乃果とことりのトレーニングに対応するものとして、
海未のビラ配りがあるということが明らかに分かります。

結論として、構成員の誰かの問題はみんなの問題であるとして、
三人全員が考えているということが作中では示されています。
そうした「共同で」誰かの問題は解決していくという意識に、
ラブライブ!が「三人の物語」であることを見出せるのではないかと私は思います。



以上、三話までを振り返って、ラブライブ!が「三人の物語」であるということを指摘しました。
とりわけ三つの点で、メンバーの「信頼」や「共同」が強調されていました。
これにより、穂乃果がリーダーシップを発揮して、周囲を巻き込んでいくという、
一転「穂乃果の物語」になってしまいそうな物語の展開であるにも係らず、
きちんと現時点で三人の「μ's」の物語になっていたように思います。
この意味で、アニメ『ラブライブ!』は確かに「みんなで叶える物語」です。

誰か一人が中心に置かれるのではなく、みんなが中心に置かれる物語――

lovelive03.png

それが三話までを見て私が抱いた、率直な感想です。
「みんな」の強調は、現時点でこの作品の大きな美点だと思います。

ご覧になったみなさまは、誰かに三話までを紹介してくれと言われたら何と答えるでしょうか。
私は、「μ'sのメンバーの信頼と共同の物語」として、ラブライブ!を紹介したいと思います。


テーマ:ラブライブ!
ジャンル:アニメ・コミック

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