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律の選択と由乃の考え方の関連性 ――由乃が「妹の部屋」を語る意味

2016.06.19 17:07|マリア様がみてる
今回は、『マリア様がみてる』の「ステップ」について考えていきます。
「ステップ」は、本編の面々は登場しない、独立した短編スタイルの物語ですが、
それでいて特に由乃たちとの深い関わりを持っている物語です。
詳しいことは、敢えてここでは述べませんが、
その由乃たちとの関連が、この物語の一つの種であり核となっていると言えるでしょう。
この記事では、そういった関わりの一つとして、「ステップ」における律の選択と、
「くもりガラスの向こう側」における由乃の考え方との間の関連性について指摘したいと思います。

「ステップ」は、「くもりガラスの向こう側」における由乃の言葉を想起させる、
確かにそこと繋がっている物語で、由乃が祐巳より先に、
「『姉の部屋』や『仲間の部屋』とは別に、
『妹の部屋』がある」という考え方に至っていた理由を、「ステップ」の中に見出すこともできます。

「くもりガラスの向こう側」で、
由乃は「幸せだけれど冷たい風が入ってくる」と述べた祐巳の気持ちについて、
「『姉の部屋』や『仲間の部屋』が満ち足りていても、
増築してしまった『妹の部屋』が空っぽだから」と的確に説明して見せるのですが、
これについては考察点たりえます。

つまり、何故由乃が祐巳に先んじて、
そういう考え方を既に持ち得ていたかということが、考えるべき問題たりえるんですよね。
後に、由乃自身が祐巳に置いてかれるという焦りの感覚を抱く場面があるだけに、
由乃が祐巳に教える「くもりガラス」の先の場面は目立ちます。

当然由乃には菜々のことがあるので、
彼女との経験をもとにそう語ったとも考えられますが、
由乃が菜々用の部屋を完成させたのは、思わず菜々を応援した、
「黄薔薇真剣勝負」のときで、「くもりガラス」の時点では当人の言うように、
「増築工事真っ最中」であったと思われるんですよね。

そういう過渡期の状態にあった由乃が、
妹ができたからといって姉に向ける気持ちが減るわけではないという、
「別の部屋」思考を早くも祐巳に先んじて身につけていた理由を、
「ステップ」に見出すことができます。
由乃の傍には、それを体現している人たちが常にいたのです。

「ステップ」の律の「男の人の中で一番、じゃだめですか」は、
まさしく「別の部屋」思考に基づく告白であって、律が佳月の入っている部屋とは別に、
甲太の入る部屋を作っていなかったらし得ない告白と言えます。
そして、そういう考え方に基づいて、実際に佳月とともに家まで建ててしまう。

というところまで考えると、
由乃が祐巳に「『妹の部屋』は他の部屋とは別」ということを教えることは、
なかなかに象徴的なことであると言えます。
由乃は、自身が妹の部屋を増設中だろうと、
その考え方を自然に身に着けて語ることができる立場にある。
このことが、「ステップ」からは具体的に分かります。

結論として、「くもりガラスの向こう側」で他の誰でもなく由乃が、
「別の部屋」という考え方を祐巳に教えるのは、
由乃がそれを成すのに最も適当であったためと考えられないでしょうか。
由乃はそういう考え方を自然に身に着けられるような家でずっと育ってきたんですよね。


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