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アイドル・紅林珠璃の歩む道 ――薔薇はいつまでも咲き続けて (アイカツ!第174話考察)

2016.03.21 16:50|アイカツ!
今回は、『アイカツ!』第174話を中心に振り返り、
紅林珠璃というアイドルについて考えていきたいと思います。
第174話においては、珠璃が迷うリサの背中を押し、
またシェヘラザードのドレスを着て暫定一位に立つ様が描かれていました。
この中で、主に三つの方向から、珠璃が如何なるアイドルであるのかということが示されたと思います。
この記事では、第174話で示された珠璃のアイドルとしての姿について確認し、
そこから珠璃がどのような道を歩むアイドルなのかということについて考えたいと思います。
もしよろしければ、珠璃が三年目に登場して以降、
これまでに歩んできた道を想いつつお付き合いいただければ幸いです。

(1) かつて背中を押され、今度は

珠璃は、紅林可憐の娘としてでなく紅林珠璃として認められることを、
自分で目指すことができるアイドルで、そういった側面が、
ひなきや淳朗やリサの道標となったのですが、きっと重要なのは、
そういう珠璃もまた、後押しがあってその道を歩み始めることができたということであると思います。

つまり、第109話で、不可避に可憐の娘として見られる、
そういった周囲のプレッシャーでぴりぴりしていた珠璃を和らげ、
結果として女優・紅林珠璃の道を十全に歩み始める契機となったのは、
可憐の娘としてでなく、珠璃として認めてくれた、あかり(たち)であったのです。

第109話であかりは、自分の力で歩み始めたいと思っていたのに、
不可避に周囲に可憐の娘として見られることで逡巡していた珠璃に対して、
可憐の娘としてでなく珠璃本人を認めて、「珠璃ちゃんとお芝居したい!」と伝えたのであり、
それがあって珠璃の迷いはなくなったと考えられます。

だからこそ、珠璃は第174話で、「スターライト学園に来て、大きな自信をもらったんだ。
紅林可憐の娘じゃない、女優・紅林珠璃として」と述べたのです。
そこでは、珠璃がリサを先達として導くことだけでなくて、
珠璃もまた、誰かがあってその道を歩めたということも強調されていたのではないでしょうか。


更に言えば、第109話で「女優・紅林珠璃」を発見したあかりもまた、
真似された星宮いちごのものではない、大空あかりとしての輝きを、
かつていちごに見つけてもらっていたのであり、そうして既に歩み始めていたあかりが、
珠璃を歩み始めさせるという展開となっていたと考えられるのですよね。
そしていちごもまた、美月にいちごとしての輝きを見つけてもらい、
当初「太陽」になることを目指して進んできたアイドルでありました。
認められて、道を歩み始めるということは、アイドルの間で受け継がれてきたのです。

よって、第174話で珠璃がリサを導いた部分は、今回の話の肝に違いなかったのですが、
それだけでは重要なもう一つの側面を取りこぼしてしまうと思います。
他方で珠璃が「自信を”もらった”」と語り、『Chica×Chica』を選択したことの意味も、
拾う必要が絶対にあるのではないでしょうか。

結論として、第174話は、一方で珠璃が、リサが自分の道を歩む助けとなる様を描きながら、
他方でその珠璃があかりの助けがあって自分の道を歩めたことを喚起する話であり、
だからこそ珠璃が歌ったのは、誰かと手を合わせ夢を叶える『Chica×Chica』だったのだと思います。

(2) シンデレラからシェヘラザードへ

第174話で珠璃は、「シェヘラザード」をイメージした、
ロマンスストーリーのプレミアムドレスを受け取り、これでステージに臨みました。
ここに来て珠璃がシェヘラザードに重ねられたことには、如何なる意味を見出せるでしょうか。
何故、シェヘラザードであったのでしょうか。

かつて珠璃は、『Passion flower』において、零時で魔法がとけてしまうとしても、
帰らずに踊り続ける熱いシンデレラとして描かれたのですが、
そのイメージを一歩進めたものがシェヘラザードに他ならなかったと思います。

つまり、シェヘラザードは、御存知『千夜一夜物語』に登場する語り手ですが、
彼女はいわば、一夜で枯れる(王に処刑される)はずのところ、
千一夜ずっと咲き続けた(物語をすることで生き続けた)花に譬えられるヒロインなのであって、
この点が珠璃のシンデレラの先を行くイメージであったと考えられるのですよね。

すなわち、零時限りで魔法がとけるところ、朝まで踊り続けていたいとして、
零時五分前であっても踊り続けることを選択する珠璃のシンデレラに対して、
一夜限りの命であったところ、実際に千夜一夜を生き続けたシェヘラザードは、
その到達点とでも言うべき、延長線上にいるヒロインであったのです。


第110話で珠璃は、魔法が溶けて、いわば燃え尽きる運命であるところ、
燃え尽きまいとして、燃え続けようと願う熱いシンデレラとして提示されました。
それが第174話では、夜が明ければ処刑されて、燃え尽きる運命であったところ、
実際に燃え尽きずに千一夜を乗り越えたシェヘラザードとして提示されたのです。

実際珠璃は、次のところで述べるように、零時の鐘が鳴っても燃え続けることができたアイドルでした。
だからこそ、ここに来てのシェヘラザードであったのであると思います。

(3) シンデレラのパーティが終わっても

ルミナスの三人がロマンスストーリーから抜け出して、
物語のヒロインではない彼女たち自身を表象するドレスで、
彼女たち自身としてステージに立つのに対し、
珠璃だけ何故未だにロマンスストーリーなのかという疑義は当然呈し得るものです。
このことについて、珠璃がそうした理由を、意味を、考えてみましょう。

これまで珠璃は、第一に燃え尽きずに何度でも燃え上がる熱さを持ち続けるアイドルとして、
第二にその熱さを特に演じることの中で表すアイドルとして、作中で提示されてきたのであり、
それゆえに彼女であれば、ロマンスストーリーを着続ける意味を見つけることができます。

すなわち、あかりたちがロマンスストーリーから抜け出して、
彼女たちを直接表すようなドレスを着るに至ったのに対して、
珠璃は、ロマンスストーリーを着続けることにより、逆に、
珠璃というアイドルを最もよく表現したのだと考えることができるのです。


というのも、物語のヒロインをイメージしたドレスを着てステージに立つということは、
一方で自分でない誰かを演じ、その誰かを自分なりに表現するということに他ならないのであり、
この意味で、役者的であると言えると思います。
珠璃の道であるところの「演じる」ことに通じることであったのです。

さらに、ルミナスがロマンスストーリーから抜け出し、
またののやリサが登場する中で、未だにロマンスストーリーを着続けることは、
そのこと自体が、「燃え尽きずに未だに燃え続けること」の表現に他ならないのであって、
珠璃という熱いアイドルの提示に他ならなかったと思います。

特に四年目の開始を象徴する『lucky train!』が「シンデレラだからパーティーの終わり」と歌い、
まるでロマンスストーリーを着る物語からの決別を宣言しているように思える中で、
珠璃はロマンスストーリーを着て、そこに残って躍り続けるアイドルとして表れているのです。
シンデレラのパーティが終わっても、なお踊り続けるシンデレラ。
前述のとおり、これを喩え直せば、一夜の運命を越えて咲き続けたシェヘラザードとなります。

結論として、新しいロマンスストーリーのドレスを着て臨んだ珠璃のステージは、
燃え尽きることなく燃え続け、かつ、
それを特に演じることの中で表現するアイドルとしての珠璃を、
極めて鮮やかな対照性でもって提示していたと考えることができると思います。

(4) まとめ

ここまでのまとめとして、珠璃は、第174話で、主に三つの方向から、
どのようなアイドルであるかということが提示されていたと思います。
すなわち、第一に「スターライト学園に来て、大きな自信をもらったんだ」という台詞から、
かつてあかりに背中を押され、今度はリサを始めた誰かの背中を押すアイドルとして、
第二にシェヘラザードをイメージしたプレミアムドレスから、
燃え尽きる運命を乗り越え燃え続けるアイドルとして、
第三にルミナスに対して珠璃がロマンスストーリーのドレスを着続けたことから、
燃え尽きずに燃え続け、かつ、それを演じる中で特に表現するアイドルとして提示されていました。
珠璃は、今もまだ咲き続けており、そしていつまでも咲き続けるだろう、
薔薇のようなアイドルとして示されていたのではないでしょうか。



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テーマ:アイカツ!
ジャンル:アニメ・コミック

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