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「対岸の比喩」で見るバレンタイン回 (ゆるゆり♪♪:三話感想)

2012.07.17 19:39|ゆるゆり
今回は一週間前からずっと楽しみでした。

今回は33話「給食!!」と、46話「さみしくないもん!!」が基礎になっています。
二つの話をアレンジして、バレンタイン仕様にしたというのが、アニメ3話でした。
ちなみに、タイトルは38話「酒と涙と女と女」がもとになっています。
一期でやった、千歳が酒入りチョコを食べて暴走するお話です。

ご覧になった方ならばお分かりだと存じますが、
46話は数あるさくひまのお話の中でもトップクラスの破壊力を持つ、
櫻子の嫉妬が描かれる回で、私はアニメ化をずっと楽しみにしておりました。

そしてその期待以上のことを、アニメはしでかしてくれたと思います。

というわけで感謝の念も込めて、気になった点を挙げていきます。




○「対岸の比喩」で見る『ゆるゆり』

『ゆるゆり』で一つ非常に特徴的なのは、ある一人にとって、
「想いを抱く相手」と、傍にいる「親しい相手」が異なるということです。

例えば、ちなつだったら、想いを抱いている相手は結衣ですが、
傍にいて何でも相談できるのはあかりです(原作七巻など参照)。
ちなつは結衣至上主義に見えますが、
彼女とあかりの間には、結衣との間にはない「親しさ」があります。

また、綾乃であれば、想いを抱いている相手は京子です。
しかし、彼女にとって「親しい」相手は千歳と言えます。

このように、想いを抱く相手と、親しい相手に差異があることは、
『ゆるゆり』において特徴的です。

逆に言えば、どんなに親しい関係性であっても、
原作においてそれが恋愛に繋がるような「想い」であるとは描出されません。

京子と結衣、綾乃と千歳、あかりとちなつ、櫻子と向日葵は、
我々がそこに恋愛的な要素を見出すことができたとしても、
作中でそう表現されることはほとんどありません。
『ゆるゆり』における「想い」の表現は、ある種の「遠さ」と同居しています。
京子とちなつの関係も、この延長で捉えることは可能でしょう。

この「想いの相手」と「親しい相手」の差異は、「対岸の比喩」によって、
分かりやすくモデル化して説明することができるように思います。

すなわち、川岸の片方において、ある一人が誰かと一緒に立っていて、
対岸の誰かを眺めているとき、この眺められている彼岸に立つ人が「想いの相手」で、
此岸にともに立っているのが「親しい相手」です。


遠くに立っているかの人が、常に想いを抱く相手であって、
近くに立っているこの人が、常に傍にいる親しい相手というわけです。

ここで注意しなければならないのが、
どちらの関係が重要かと問うべきものではないということです。


例えば綾乃にとって、京子も大切ですが、同様に千歳も大切なはずです。
「恋愛」と繋がりやすそうな「想いの相手」の方が重要なように思えてしまいますが、
『ゆるゆり』においては、「想いの相手」が絶対的というわけではありません。
結衣至上主義的な嫌いがあるちなつでさえ、
七巻ではあかりの大切さに気付き始めているように見えます。

違う関係性ではあるけれども、どちらも大切な関係性であるということを、
『ゆるゆり』は示していると私は読んでいますし、見ています。




○「対岸の比喩」で見るさくひま:向こう岸に行った向日葵

ここで、アニメ3話の内容に入りましょう。

今回の櫻子が嫉妬するお話は、向日葵が彼岸に行ってしまって、
再び櫻子にとっての此岸に戻ってくるまでを描いた、
浦島太郎型のものと述べることができます。

もともと櫻子と向日葵は、どう考えても相互に好意があるとしか見えませんが、
お互いに「幼馴染」、すなわち「親しい相手」であるゆえに、
恋愛に繋がる「想い」を抱く相手として形式的には考えていません。


これは二人が素直でなく、ツンデレであるということ以上に、
二人の距離が昔から近かったことから引き起こされていると言えると思います。
特に櫻子は、向日葵を「ライバル」としか見ていませんでした。

その櫻子が何故、まるで向日葵が「想いの相手」であるかのように、
嫉妬するに至ったのかということは、考えるべきテーマのように思います。


そしてその答えとして、私は「向日葵が彼岸に行ったこと」を挙げたいのです。

向日葵は、ちなつにマフラーの編み方を教えるために、
しばらく櫻子から離れることになります。
それでも学校では会えるわけですが、ちなつの存在は櫻子にとって、
相対的に向日葵を彼岸に行ったと錯覚させるものでした。

ここにおいて、構造的に「想い」を受け入れない原因の一つとなっていた、
「親しさ」、「近さ」が、櫻子と向日葵の間に成立しなくなります。
この状況が櫻子に「想い」に基づく寂しさを知覚させ、嫉妬させたのです。

向日葵がちなつとともに彼岸に行ってしまったことは、重大な理由だったと思います。

だからこそ、彼岸から向日葵が戻ってきたときに、
櫻子の嫉妬を経て、二人の関係が一歩進展するわけでもなく、
元の「親しさ」の鞘に収まってしまうと言えます。

今回は、向日葵が櫻子にとっての彼岸に行ってしまうという非日常によって、
向日葵が「想いの相手」として現前した特別な回だったのだと思います。




○櫻子と向日葵にとっての帰り道

また、アニメは二人にとっての「帰り道の意味」をよく示していたと思います。

まず、基本的に学校は「みんなの場」で、アニメ3話の中でも示されていたように、
あかりとちなつも含んだ、一年生四人でほとんど過ごしています。

次に、それに対して、自宅は遊びに来るというイベントがない限り「一人の場」です。
あるいは、今回の最後で示されていたように「家族の場」です。

今回、櫻子が向日葵がいない寂しさに自宅で暴れるシーンが、
アニメオリジナルで加えられていましたが、
あれは自宅が「一人の場」であることを端的に示していたと思います。
あの暴れっぷりならば、撫子たちが怒りに来てもいいのにも係らず、
敢えて家族を登場させず、「一人の場」であることを強調したと取れるためです。


そして、双方の中間である帰り道こそ「二人の場」なのです。
日常的に二人の時間が確保されるのはここをおいて他にありません。
ゆえに、櫻子も以下のように述べています。

…今日からまた 一緒に帰ったり宿題見たりできるの?


彼女にとって、帰り道で一緒にいられなかったことが、
重大な意味を持っていたことがここに見出せます。

さらに、アニメでは冒頭と(ほぼ)末尾にそれぞれ、
登校途中、下校途中のシーンが挿入されていました。
これが、櫻子という浦島太郎にとっての「こっち側」、「日常」だったわけです。
向日葵が彼岸に行ったことにより、失われていた日常が最後に回復したということは、
「二人で帰り道を歩く」という光景によって表現されているのです。




○これまでの話を「思い出させる」仕掛け

また、今回は一期を含めて、
これまでに放送された話を思い出させる工夫がなされていたと思います。
それを箇条書きでまとめておこうと思います。

①恥ずかしい話でのあかりの寝言
原作通りですが、二期一話の「あかりの夢」を思い出させます。

②向日葵のピーマン嫌い
クリスマスデートでの食べさせ合いを思い出させます。

③最後のさくひまの帰り道
一期二話で、向日葵が櫻子宛てのクッキーをあげたシーンを思い出します。
ここは明確に対比されているように私は感じました。
あのときは、櫻子が「自分への」クッキーを、
向日葵に知られないように後ろを向いて喜んでいましたが、
今回は向日葵が櫻子からチョコをもらっていたことを喜びます。

あのときと同様で、向日葵の喜びは櫻子には明かされません。

そういえばもうもらってましたわね


そう言って微笑む向日葵に、
クッキーをもらえて嬉しそうにしていた、
かつての櫻子の笑顔を思い出さずにはいられなかったのです。

④千歳のチョコ
チョコで暴走した回を思い出させます。
ちなみに千歳がチョコで暴走するというのはアニメ固有の設定です。
原作ではチョコに入っていたアルコールで暴走しました。
何故変えられたかは何となく分かりますね。

⑤あかねさん
一期一話で描かれた、あかりだらけの彼女の部屋を思い出すでしょう。

総合して、これまでのお話を踏まえたバレンタインになっていて、
ファンには嬉しい一話であったことと思います。
二期から入った人も、後に一期を見たときに「おお!」となれるような作りです。
これまでのお話の「続き」であることが提示されているように思いました。
先週述べた、メタ排除の件に関連するかも知れません。



今週は大室家も割と核心部分に触れており、
色々と他にも考えたい点があるにはあるのですが、
それはまた今度ということにしたいと思います。

例えば、みんなのバレンタインの捉え方の違いなどが印象的でした。

ちなつや綾乃(や向日葵)は「想い」をチョコにして渡すことを中心に捉えていた一方、
京子や結衣は「親しい」間で交換するくらいに捉えていたように見えます。
あかりはみんなに配って、みんなからもらうといった具合でしょうか。

あかりはいい子なのでホワイトデーにお返しをいっぱいもらえると思います。

来週は、綾乃と千歳がおいしい回だと思います。
今からこちらも楽しみですね。

テーマ:ゆるゆり
ジャンル:アニメ・コミック

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