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三つの目標を一つに束ねて ――勝利と笑いと三人の笑顔 (『シンデレラガールズ』:第九話考察)

2015.03.29 16:43|アイドルマスター
THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS ANIMATION PROJECT 04 Happy×2 DaysTHE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS ANIMATION PROJECT 04 Happy×2 Days
(2015/04/01)
CANDY ISLAND[双葉杏×三村かな子×緒方智絵里]

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今回は、『アイドルマスター シンデレラガールズ』第9話について考えていきます。
杏、かな子、智絵里の三人が、ユニット「CANDY ISLAND」としてデビューし、
CDの宣伝の一環としてクイズバラエティに挑戦した本話。
その中で、実際に番組に挑んだユニットの三人以外のアイドルやPが、
如何なる役割を演じていたかということを論じていきます。


第9話の主役であった「CANDY ISLAND」の三人にのみ着目するのではなく、
彼女たちに関与する三人以外のアイドルにもスポットを当てていく。
これにより、第9話を「CANDY ISLANDの物語」としてだけではなく、もっと広く、
「シンデレラプロジェクトの物語」としても読み解くことができると思います。
アイドルたちがユニットという単位ばかりではなく、
シンデレラプロジェクトという単位でも語られていることは、
このアニメの物語の最たる特徴の一つと言えるでしょう。
それでは、このシンデレラプロジェクトは、
どのように関わり合う関係性として提示されているのでしょうか。
私は先の問いを出発点に、この問いの答えにも肉薄したいと思うのです。

第9話においては、冒頭でのみくや未央の積極的な関与を通して、
ユニットの三人以外のアイドルがいることが強調されていました。
それでは彼女たちはその関与の中で、如何なる役割を演じていたのでしょうか。
また、Pは第9話においては、これまでに比べて登場シーンが少なかったと言えるでしょう。
しかし、だからと言ってPは、第9話の中で何も役割を演じていないわけではなかったと思います。
むしろ、数少ない登場シーンの中で、重要な役割を演じていたのではないでしょうか。
以上のようなことについて、この記事では論じていくつもりです。
もしよろしければ、第9話の内容を振り返りつつ、お付き合いください。



先に結論を述べてしまえば、第9話でユニットの三人以外やPが果たした役割とは、
個々の考え方の違いに基づいて、それぞれの考えを導入していくという役割でした。

すなわち、第9話の冒頭で、かな子と智絵里はクイズバラエティに出るに当たって、
CDの宣伝のためにクイズで勝つことが重要であると考え、
クイズの知識を習得するのに全力を挙げていたところ、
未央とみくはバラエティ番組であることを念頭に置いて、
そこで面白く映ることも重要であることを教えていました。
かな子や智絵里とは異なる考え方から、必ずしもクイズで勝つことだけが目標ではなく、
例えばボケとツッコミでバラエティ的においしく笑いを取ることも目標であると示したのです。

それぞれが個性的で異なる考え方を持っているからこそ、
様々な答えを導いていけることが、ここには表れています。
とりわけ未央とみくは、冒頭の積極的な関与によって、
今度の仕事の成功条件が「クイズに勝って宣伝時間を得ること」に限られていたのを、
「ボケとツッコミをかまして面白く映ること」にもさらっと広げています。

ここで思い出すべきは、第6話の展開です。
第6話で未央がアイドルを辞めると言うに至ったのは、ミニライブが失敗だったと考えたためでした。
さらに、未央が失敗だったと考えた理由は、未央がそこでの仕事の成功を、
美嘉のライブのように「多くの人にパフォーマンスを見せること」であると考えていたためでした。
このときPから例えば、少ない人数であっても、
見てくれた人を笑顔にできれば成功であるということを教えられていれば、
未央がミニライブを失敗と考え不安になることもなかったかも知れません。
現に未央は、第7話でこのことを教えられて失敗ではなかったと悟っているのです。
第6話は、未央が成功条件を限って考えてしまっていたので、起こり得た事件でした。
第9話は、この第6話における失敗の上に築かれています。

第9話で仮に未央やみくが関与しなければ、杏はともかく、かな子と智絵里は、
クイズに勝つことのみを重要視し、そこにのみ注力してしまったと思います。
そうであれば、最後の滑り台クイズ前においては、
バンジージャンプという罰ゲームのプレッシャー以外の、
クイズで勝つことへのプレッシャーもかかっていたかも知れません。
未央とみくは、クイズで勝つことを目標として相対化する役割を負っていたと考えられます。

さて、ここで考えてみるべきなのは、第9話においてPが果たした役割です。
先にも述べたように、第9話はその内容のほとんどがバラエティ番組の「本番」であったため、
Pがアイドルに声をかける等する機会は極めて限られていたと言えます。
ここは、蘭子がPV撮影の本番に挑むまでを描いた第8話とは対照的です。
撮影本番の光景がほとんど描かれなかった第8話においては、
蘭子とPのやり取りがこれでもかというくらいに描かれていました。
それに対して第9話は、ほとんど本番の光景を描いていたため、
基本的に本番外でアイドルに関与するPの存在感は薄くならざるを得なかったのです。
第9話は、このようにPの登場機会が不可避に少なくなる前提を有した物語でした。

しかし、それゆえにPが重要な役割を演じなかったかと言えば、そうではありませんでした。
Pは、未央とみくが「バラエティ的なおいしさ」を成功条件として示していたのと同様に、
彼がこれまで最も重要視してきた、彼らしい成功条件を示していたのです。

すなわちPは、「笑顔でやり切ること」を成功の要素として示していました。
智絵里が倒れた後の楽屋の場面で、Pは次のように声をかけています。

「大丈夫ですか?」
「はい、すみませんでした」
「次の収録、できそうですか」
「はい」
笑顔で、できますか?
「智絵里ちゃん。私もバンジージャンプ怖いけど、
 次の収録は、笑顔で頑張るよ。だから……」
「私、ユニットでデビューできて、本当に嬉しくて。
 きっと一人じゃ、何もできなかった。
 怖いけど、笑顔も自信ないけど、
 だけど、みんなに勇気、もらえたから。一緒にやりたい!」 (第9話)


この言葉で、笑顔で仕事をやり切ることが成功であるということが意識されています。
かな子も智絵里も、そのことを目標として再設定しているのです。

Pは、仕事で「笑顔でやり切ること」を三人に改めて伝えているという意味において、
非常に彼らしい、重要な役割を演じていると言えるでしょう。
第9話ではPの出番は少ないですが、それでもやはり、
『アイドルマスター シンデレラガールズ』は、アイドルとPの物語であったのです。

三人でのCD宣伝の場面は、以上の三つの考え方を受けての「成功」を描いた場面になっています。
つまりあの場面は、第一にクイズに勝って宣伝時間を得た場面でもあり、
第二にボケとツッコミをかますことができた場面でもあり、
第三に三人一緒に笑顔で映ることができた場面でもあったのです。
三つの目標としての「勝利」「笑い」「三人の笑顔」が、全て揃っています。
これは、クイズに勝って宣伝時間を得ることだけを目標に進んでいたとしたら、
辿り着けはしなかった成功の光景であったと言えると思います。
三様の考え方に基づく三つの目標を一つに束ねた成功の光景なのです。

結論として、未央とみく、あるいはPは、ユニットの三人とは違った視点から、
それぞれに仕事で重要視すべき目標(成功条件)を示す役割を演じていました。
けだし、第9話で他のアイドルやPがCANDY ISLANDに関与してこれを示していく様は、
Pの考えるミニライブでの目標が未央に伝わっていなかったことにより、
未央がアイドルを辞めると言うに至ってしまった第6話の失敗の上にあるものです。

杏、かな子、智絵里の三人が、笑顔で、ボケツッコミも交えながら、CDの宣伝をやり切る場面は、
三つの目標を一つに束ねた成功の光景に他ならなかったと思います。

ここから考えてみると、ユニットのメンバーの中だけでは出てこない考え方を、
ユニット外のメンバーが導入していくというのが、アニメの描き出す、
シンデレラプロジェクトという関係の在り方であったのではないでしょうか。
けだし、個性的なメンバーがそれぞれのユニットに分かれながらも、
一つのプロジェクトの下にまとまっている意味は、一つにはここにあります。
ユニットとしては分かれ得る、全く方向の異なる個性が関わり合うことで、
様々な考え方を導入しつつ進んでいくことができるというのが、
シンデレラプロジェクトの強みとして表れて来ていたように思います。



○関連記事

   二つの魔法から始まるシンデレラストーリー (第一話)
   憧れの初ステージに係る「意志」と「緊張」 ――手をとり合うシンデレラ (第三話)
   魔法を持続させる鍵としての「信じること」 ――第六話の未央とPの問題から (第六話)


テーマ:アイドルマスター
ジャンル:アニメ・コミック

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