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「団体の一員」としての玄の決意 (咲-Saki-阿知賀編:第十二話感想)

2012.07.07 16:59|咲-saki-
ずっと冷や冷やしていましたが、今回、玄がついに決意しましたね。

煌と怜、二人の「決意」に対して、
玄がどのような決意をするのかが今回の焦点だったと思います。

なかなか頭の中で整理がつかず、遅くなってしまいましたが、
その「玄の決意」を中心に、気になったところをピックアップしていきます。

もしよろしければ、お付き合いください。




○玄の「決意」:個人としてではなく、団体の一員として

玄はここ二回いいところなしでしたが、今回、怜と煌の助力もあり、「決意」するに至ります。
「ドラを手放す」という決意です。
この決意は玄にとって、照に大きな点であがらせてしまうリスクがある以上に、
「ドラを大切にする」という、大切な母との約束ゆえに妨げられていたものでした。
それでも玄がこの決意を成し得たのは、
他でもない阿知賀のみんなのおかげであったように思います。

それは回想の場面で表されています。

そこで玄は、「別れ」について考えています。
ドラと捨てたら、しばらくの間ドラと別れなければならない約束を抱えているゆえに、
玄がここで「人との別れ」について考えたのは自然な流れと言えます。
そして玄にドラを捨てる決意をさせた最後の一手は、
「別れてもいつか戻ってきてくれる」ということを、阿知賀自体が表していることでした。

玄は回想しながら語っています。

そうだった。
どうしても別れなきゃいけない人、前に向かうために別れを選ぶ人、見送る人。
私はいつも待つ方だったけど、
穏乃ちゃんや赤土先生、憧ちゃんや灼ちゃんは戻ってきてくれた。
お姉ちゃんとは前よりもっと遊ぶようになった。
和ちゃんは戻ってきてくれるか分かんないけど、今一緒のお祭りに参加している。
別れることはよくあることで、私は慣れてるはずだったんだ。
今まで自分から別れを決めることはなかったけれど、
前に進むために、一旦お別れ。


ここで玄が「一旦お別れ」できたのは、別れた後に戻ってきてくれた、
阿知賀のメンバーの存在のおかげであるように解釈できます。


彼女たちは一回お別れをすることになっても、再び戻ってくることを、
何よりも玄に示しているのです。

玄は、対局中に何もできずに涙ぐんでしまう、少し弱い女の子です。
しかし、特に何もできない中で、ずっと仲間のことを想っていました。
そんな仲間への意識が強い玄だからこそ、チームが前に進むために、チームの一員として、
「ドラを大切にする」という約束から脱却し、「一旦お別れ」ができたのではないでしょうか。


ある人との約束を反故にして、前に進もうという姿勢は怜と被ります。
彼女が十話から提示してきた「道」を、玄も進む決意をしたと捉えることができます。
しかし、怜の決意と玄の決意は、取った道は同じでも、その意味は明らかに異なります。

前回細かく論じたように、怜は団体(みんな)のために、みんなの意志に逆らいました。
竜華との約束を破って、ダブル、そしてトリプルへ進んでいきます。
その意味で彼女の決意は、「団体の一員として」のものでもある一方、
団体に逆らっている点で「個人として」のものでもありました。


これに対して玄は、母との約束から自分という個人に根付いてきた、
「ドラを大切にする」という信条を、みんなのために一旦捨てるのです。
ここでは、「団体の一員かつ個人」という怜の決断とは異なり、
純粋に「団体の一員」として、決意する玄が浮き彫りにされています。
上述のように、玄の決意がみんなのおかげで成されたことは象徴的です。

「ドラを大切にすること」が玄にとって自分と切り離せないものであることは、
レジェンドが、それを玄にとっての「自分の何か」(大切なもの)と言うところに表れています。
玄は個人から脱却して、団体の一員として決意したと言えます。

「総合力」(個人より団体)で勝ちに行こうとする阿知賀ならではの、
「団体の一員としての決意」が、玄を通して描かれていると考えられます。




○三者三様の「決意」

総合すると、煌、怜、玄がそれぞれ異なった「決意」をしていると分かります。

煌は十一話で、自分の納得のいく「誰も飛ばさせない」という決意をしています。
これは団体の利益から離れたものであることが、強調されていることから、
煌の決意は、団体の一員としてではなく、むしろ個人としてのものであったと言えます。

怜は、団体のみんなのために、竜華を初めとしてみんなが望まない、
ダブル、トリプルへの道を歩んでいきます。
怜の決意は、団体の一員としてのものである一方、
団体から独立した個人としてのものでもありました。


玄は今回、ドラと「一旦お別れ」するという決意をして実行します。
それは団体のみんなが可能にしてくれた、みんなのための決意でした。
これにより玄は「ドラを大切にする」自分を一旦捨てます。
玄の決意は、団体の一員だからこそできた、団体の一員としてのものと言えるでしょう。

三者三様の「決意」があって、最後に繋がったのだと考えることができます。



○晴絵による玄の評価

晴絵による評価が興味深かったので、文字に起こしておきます。

私のときは、他の二人と共闘なんて、考えもしなかった。
ましてや、自分の何かを捨てて賭けに出るなど……。
頑張ったね、玄。


同じく自分以上の強敵に対して、予想以上のうち筋で戦った人間であるため、
レジェンドの存在は、玄のあがりの印象を弱めかねないのですが、
その彼女が自分のときと比べて、玄を評価することにより、
玄の頑張りが陳腐なものにはならないようになっています。

また、評価されている点が、他の二人の意向に玄が乗っていったことと、
玄が行った「決意」であることに注目すれば、
最後のあがりは、三人の決意の末の勝利であることが示されていると考えられます。



今回のテーマは「玄の決意」でやりたかったので、ここで切ることにします。
十二話は特に盛り沢山で、対局終了後の各校の様子や、和との約束など、
取り上げたいことは多くあったのですが、それはまたいずれ。

私のお気に入りのシーンは、
煌が控室に帰って、「ようやった」と迎えられるところでしょうか。
ほんの数秒のシーンですが、そこに新道寺の絆のようなものは若干見出せましたし、
労いに対する煌の言葉も恰好いいので、特に心に残っています。

さて、「和と遊ぶ」ことを目的に駆け抜けてきた阿知賀女子でしたが、
穏乃は和に「遊ぼう」とは言いませんでした。
簡素な約束のみで、立ち去ってしまいます。
彼女にとって、その言葉は決勝戦まで取っておかれるべきものだったのだろうと思いました。
和と会い、遊ぶことではなく、「和と決勝戦で遊ぶこと」が穏乃の目的であると、
明確に示された部分であったように考えております。


今から続きが楽しみです。

テーマ:咲-saki-阿知賀編
ジャンル:アニメ・コミック

コメント

No title

私も最後の新道寺のシーンは好きですね。
描写が少なく他部員から煌が冷遇されているように見えてしまっていたので、嬉しかったです。
昨年先鋒でトバされた部長にとっては、ある種の敵討ちのようにも見えますし。
いい群像劇ですよね。

返信です。

>トモヒロさん

新道寺のシーンいいですよね!

おっしゃるように、煌は「独りで」戦っている描写がすごく濃かったですよね。
捨て駒であることはもちろん、前半が終わった時に唯一仲間の下へ帰らない点にも、
そのことは見出せると思います。

だから、あのシーンが光っていましたよね!
煌がやはり「チームの一員」だということが、端的に示されていたと思います。

今後、新道寺メンバー間の交流の掘り下げがあればいいと願っています。
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