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零シリーズの底に残る「儀式の原因」の謎 ――説明し得ない偉大な所与

2015.01.18 17:02|零シリーズ
零 ~濡鴉ノ巫女~零 ~濡鴉ノ巫女~
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今回は、これまでの零シリーズ全体を俯瞰して、その特徴について考えます。
零シリーズは、既に人の住んでいた或る土地が壊滅していて、
そこに主人公たちが紛れ込んでしまうところから始まります。
そして、この壊滅を引き起こした悲劇と、その原因が作中で語られていきます。
これは、零シリーズに共通する物語の型と言えるでしょう。
ただし、この型は零シリーズの持つ一つの特徴に過ぎないと思います。
悲劇に焦点が当たるからこそ、隠れてしまい得るもう一つの特徴があります。
それは、作中で悲劇が説明された後に、理不尽な謎が残されているということです。
以下では、この点について私見を述べてみたいと思います。

それでは、零シリーズの底に見出せる理不尽な謎に注目してみましょう。
零シリーズの全作品において共通なのは、その「悲劇」には人が関連していますが、
その人的な要因を全て取っ払ったところにも、悲劇の源が残るということです。
つまり、零シリーズで執り行われる「儀式」は、人間の「迷信」に基づくのではありませんでした。
あるいは、湧いて出た「狂気」に基づくものでもない。
それは、その土地が元々現世と隠世の境にあるような土地柄であるために、
人の理の範囲外より不可避なものとして要請されてきたものであったのです。
凄惨な儀式は、当主たちの迷信に基づくものではなく、
その土地が本当に必要とするものであったというのが零シリーズの特徴と言えます。

悲劇の原因と違って儀式の原因については、もっともな理由を付けて説明されません。
『眞紅の蝶』で言えば、何故村が永遠の夜に閉ざされたのかということは、
作中において説明されますが、何故村に虚があったのかということは説明されません。
それは、ただそこにありました。
『濡鴉の巫女』で言えば、何故日上山に巫女の霊が徘徊するようになったかということは、
作中において説明されていますが、何故黒き澤があったのかということは説明されません。
それは、おそらくずっと昔から、ただそこにあったのです。
何故この地域には黄泉と繋がる場所があって、
何故それに関連する儀式があるのかということ。

それは、人間の領域では説明できないものとして登場しています。
そして思うに、零の描く本当のホラーは、ここにこそ見出せるのです。

すなわち、人間が「迷信に基づき」行った何らかの禁忌の儀式や、
怪物を生み出す非人道的な実験などが基となっている、
全てを人間の領域で説明できてしまうようなホラーを零は描きません。
人知の範疇に属さない、理不尽なコミットを内に含んでいるのが零であると言えます。
最終的に怖い人間が怖いのではありません。
もちろんそれも要素としてはあるのですが、最終的に恐怖の源泉として出会うのは、
人間の論理の外の存在である、人間が係らざるを得ないような「何か」です。

何故この集団がこのような悲惨な状態に陥ってしまったのかと言うことに関しては、
零においても説明しています、というより、それを中心に明かしていくのが零とも言えます。
この「悲劇」の原因については人間の範疇です。
過去これがあったから、今このような惨状である。
しかし、この論理から逸脱したところに残るものがある。
それが、何故この土地ではそのような儀式が行われる必要があったのかということです。

それは、零シリーズが抱える「偉大な所与」に他なりません。
過去にその土地の人が何らかの罪を犯してしまって、
その報いとして惨い儀式を必要とするというような因果応報、
あるいは原罪の論理に基づくものではありません。
そういったところから逸脱した、理由なく、ただそこにあるものなのです。
そうした理不尽にそこに位置するもの、人間の領域ならざるものが、
零シリーズをクリアしたときに、どの作品においても共通に底に見える恐怖の源なのです。



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テーマ:零シリーズ
ジャンル:ゲーム

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