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スミレの「いつかはきっと」に見える強さ (アイカツ!第108話考察②)

2014.12.20 09:26|アイカツ!
Du-Du-Wa DO IT!!/Good morning my dreamDu-Du-Wa DO IT!!/Good morning my dream
(2014/10/22)
AIKATSU☆STARS!、るか・もな・みき from AIKATSU★STARS! 他

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この記事では、前回の続きとして、第二の問題について考えていきたいと思います。
すなわち、何故スミレはプレミアムドレスを受け取ることができたのでしょうか。
作中では、スミレが幾多の試練を乗り越えて魔夜の部屋に辿り着き、
また魔夜の部屋で質問に答えてドレスを受け取るまでの過程が描かれていました。
しかし、この試練がスミレの何を計るものであったかということについては、
最初から自明の部分もあれど、そうでない部分もあったと言えましょう。
それぞれの試練が如何なる意味を持つものであり、
それを乗り越えたスミレの何が評価されていたのか。

これを考えることにより、ロリゴシックというブランドの価値観も分かると思います。
今回はここに注目して、『アイカツ!』第108話を読み解いてみましょう。

結論から言えば、魔夜の屋敷では二つのことが問われていたと思います。
ロリゴシックというブランドを愛し、かつ、理解しているかということと、
ロリゴシックのドレスを着るのにふさわしい「強さ」を持っているかということです。

第一に、「ロリゴシックへの愛と理解」は、屋敷に入る前にユリカが強調しています。

「ロリゴシックのドレスは魔夜さんの魂!
 そのプレミアムドレスを着ていいのは、このブランドを愛し、理解し、
 その世界の住人になれる者だけ。私はそう思ってる。
 魔夜さんに会えるかどうかは貴女次第よ。頑張りなさい」 (第108話)


実際に、ドレスの名前を当てさせるところでは、
ブランドを愛し、理解しているかということが分かりやすく審査されていました。
また、物語としての白雪姫をなぞったような、
魔女や七人の小人による誘惑も、この範疇で捉えられると思います。
すなわち、魔女に物をもらったり、小人と一緒に食事をしたりするということは、
いかにも白雪姫にふさわしそうな行動ですが、
ロリゴシックというブランドにおける「白雪姫」は、
そのような物語どおりの白雪姫であってはいけないのです。

物語の白雪姫のように、物を受け取ったり、小人の誘いに乗ったりせず、
魔夜の部屋へと向かうことができるかが問われたことには意味があります。
白雪姫をモチーフにしたドレスと聞いて、物語そのままの白雪姫を期待してはいないか。
魔夜は数々の関門において、このことを審査していたと考えられます。
ロリゴシックを理解し、物語の白雪姫から剥離していることが重要だったのです。

だからこそ、スミレにドレスを授けた決め手は「林檎」でした。
魔夜の部屋で、スミレは「白雪姫と林檎」を合わせたドレスが変ではないと言い切ります。
実際に、スミレは当初から林檎が付いていることに疑いを差し挟みませんでした。
あかりやひなきが疑問に思っても、スミレがずっと確信を持てていたのは、
彼女がロリゴシックというブランドを理解していたためです。
スミレはユリカとともに、ロリゴシックと白雪姫は合うと自信を持って述べています。

なぜなら、白雪姫という物語の「ダークなイメージ」が、ロリゴシックには合うためです。
スミレはここを理解していたために、林檎があることに疑問を持たなかったと考えられます。
白雪姫の「ダークなイメージ」を象徴するものこそ、白雪姫が食む毒林檎です。
そのため、ロリゴシックのドレスには必ず付いてくると確信が持てたのです。

結果としてスミレのロリゴシックへの理解は、
林檎が変ではないと言い放つことで示されることになります。
さらに、後から来たあかりやひなきの言によって、
林檎の付いた白雪姫のドレスを着たいと思っていたことが、魔夜とユリカに伝えられます。
ここでスミレのロリゴシックへの共感と理解は、咄嗟に繕ったものではないと証明されました。
だからこそ魔夜もユリカも、スミレがドレスを着るのを見たいと考えられた。

ところで、スミレは魔夜の部屋に焼き林檎を持参しました。
彼女は幾多の試練を超えるに当たってこれだけは手放さず、魔夜に供するのです。
その行動は、スミレが白雪姫のドレスを着ることを夢見ながら、
「林檎を供する」という行為の持つダークなイメージを自ら背負うということを、
全く拒否しないという姿勢を明言するものであったと言えるでしょう。

スミレは、林檎を供する白雪姫になれることを無自覚に示していたのです。
林檎を供する白雪姫とは、ロリゴシックにふさわしい、
ダークなイメージを抱えた白雪姫のことに他なりません。

このように、試練はまず、「ロリゴシックへの愛と理解」という軸で説明できます。
スミレは単なる白雪姫ではなく、ロリゴシックの住人である白雪姫になりたいと思い、
また、なれるのだということを道中の試練と最後の林檎で示したのです。


第二に、「ロリゴシックにふさわしい強さ」が、特に鏡からの問いで試されていました。
問題は、魔夜の求める「強さ」がどのようなものなのかということです。
それは、単純に常に「自信」を持って前に進んでいけることを意味しません。
ロリゴシックの「強さ」とはむしろ、自分の至らないことを認めながらも、
それでも上を目指して努力していくことができるという「謙虚さ」と結びついたものです。
このことは、ユリカがプレミアムドレスをもらいに行ったときにも示されています。

「デザイナーは魂を込めて服を作る。
 だから、その服にふさわしい人間に着てもらいたいと願う。
 今の君が、このドレスにふさわしいと胸を張って言える?」
「言えません……」
「ユリカちゃん……」
「でも、私、ロリゴシックのドレスが、大好きなの!
 今はまだプレミアムレアドレスにふさわしくないかも知れない。
 でも、きっとそうなる! そのためならどんな努力もする!
 私は、誰よりもロリゴシックのドレスにふさわしいアイドルになります!」 (第20話)


ここでユリカは、自分が今既にプレミアムドレスにふさわしいとは言い切りませんでした。
まず、今はそうでないことを認め、いつかそうなることを誓うのです。
そして、魔夜はそういうユリカだからこそプレミアムドレスを託します。

「高い目標を目指して登って行けば、
 いつかそこへ辿り着けるかも知れない。
 僕はそうやって努力する女の子が好きなんだ。
 君には、きっとこのドレスが似合う」 (第20話)


魔夜の重視する「強さ」とは、今はまだ至らないことを認め、
今はまだ至らないからこそ、努力していこうとしていけるメンタリティのことを指します。
スミレもユリカと同じように、この気持ちを確かに持っていました。
鏡として問う魔夜に対して、スミレはかつてのユリカのように答えます。

「鏡よ鏡。世界で一番ロリゴシックのドレスが好きなのはだあれ?」
「世界で、一番。それは……」
「世界で一番好きなのは?」
確かに、今は藤堂先輩には敵わないかも知れない。
 でも、それでも、いつかはきっと――!」 (第108話)


この言葉は、かつてのユリカと同様の言葉に他なりません。
今はユリカに敵わないかも知れないが、いつかはきっと勝ってみせる。
今の時点で誰にも負けない気持ちを持っているということが、魔夜の求める答えではないのです。

目を背けずに現実を受け止めながらも、そこを越えていくことを志向する。
思えばこの「強さ」は、スミレの別のところに既に現れていたとは考えられないでしょうか。
すなわち、スミレは「いいこと占い」で、占い結果をポジティブに捉えます。
この彼女の姿は、先の鏡の前での答えに通じるところがあると思います。
スミレはそれこそ白雪姫の継母のごとく、占い結果を拒否するのでなく、
占い結果を受け止めた上で、それをポジティブに解釈していくのです。
それは、現実を受け止めながら、そこで打ち負けてしまわずに、
前に進んでいこうとする心性を根っこに持つ占いであると考えられます。

スミレが歌う『タルト・タタン』も、この側面を受けたものとなっています。
あの歌は、恋について占いに頼って「鏡」や「タロット」を使うも、
良い結果を読み取れなかった「私」が、最後にはそれを受け止めながら、
自分の意志で「いつかはきっと」と思うところで終わると解釈できます。
ステージでスミレが最後に、占いの道具であろう「鏡」を割るのは象徴的です。
そこで、占いから決別して「いつか」を目指して歩んでいく様が表現されています。

重要なのは、鏡を割っているとは言え、占いの結果は受け止めているだろうということです。
占いの結果を受け止めていなければ、「いつかはきっと」と悠長なことは言わないでしょう。
それこそ毒林檎を持って、「今」、望む結果を得ようとしただろうと考えられるのです。
『タルト・タタン』にも、現実を受け止めながら前に進もうとする心性が見えると言えます。

結論として、試練は次に、「ロリゴシックにふさわしい強さ」という軸で説明できます。
スミレは魔夜が声を当てる鏡に対して、「いつかはきっと」と言い放つことで、
現状の自分がユリカに及ばないことを認めながらも、
それでも上を目指して努力していくことができる「強さ」を示したのです。
それは、「いいこと占い」、『タルト・タタン』の歌詞にも見出せる、
スミレがここまでの間に培ってきた「強さ」であったと言える気がします。
何より「いつかはきっと」という言葉は、この強さを象徴します。


全体をまとめれば、魔夜の屋敷での試練は、スミレに二つのことを問うものでした。
すなわち、第一に「ロリゴシックへの愛と理解」が本物であるかどうか、
第二に「ロリゴシックにふさわしい強さ」を有しているかどうかということをです。

スミレは各関門を突破していく中で、この二つの問いに答え切り、
その結果としてプレミアムドレスを手に入れることができたと考えられます。



○関連記事

     再定義されるあかりの原点――本当の目標は真似でなくて (第101話)
     これまでの別れの経験の上に――さくらだから語れる言葉 (第102話)
     ブレーキを踏まずにいられるのは (第105話)


テーマ:アイカツ!
ジャンル:アニメ・コミック

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