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広がり開かれる、みんなで叶える物語 (ラブライブ!二期十話考察)

2014.06.29 13:03|ラブライブ!
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今回は、クライマックスを迎えつつある『ラブライブ!』の第十話について考えます。
第十話では、「みんなで叶える物語」というμ'sのキャッチフレーズが提示され、
μ'sは九人だけで進んでいくわけではないことが明確にされました。
μ'sは、学校のみんなともいっしょに、彼女たちの物語を紡いでいくのです。
そこで、学校のみんなは、μ'sの外側にいるだけの存在ではありません。
μ'sがアイドルとして対峙すべきファン以上の意味を持つこととなっています。
つまり、彼女たちは、μ'sと関わる中で彼女たちに巻き込まれ、
彼女たちとともに進んでいく仲間に、いつの間にか変化していたのです。
この、μ'sの外にいた者たちの、ともに歩む仲間への転換というのは、
アニメ第一期の流れを思い出させます。
そこでも最初はμ'sの外側にいたメンバーたちが、
主に穂乃果に巻き込まれる形で、ともに歩む仲間(メンバー)になっていったのでした。

そう考えると、学校のみんながμ'sとともに歩む側になる第二期の物語というのは、
メンバーの八人が穂乃果とともに歩む側になっていった第一期の物語が、
より「広がり開かれていく」ものに他ならなかったと言えるのではないでしょうか。

メンバーの八人が穂乃果に巻き込まれ、ともに歩んでいく物語は、
学校のみんながμ'sに巻き込まれ、ともに歩んでいく物語へと展開したのです。
この記事では、特に第二期第十話の内容に注目しつつ、
以上の点について詳らかにしていきたいと思います。



○『ラブライブ!』第十話:広がり開かれる、みんなで叶える物語


まず、穂乃果がμ'sの原動力が何かということを悟るきっかけとなった、
学校のみんなにおもちをご馳走する場面に注目してみましょう。

「何か考えてみたら、学校のみんなに何のお礼もしてないなあって」
「お礼?」
「うん! 最終予選突破できたのって、みんなのおかげでしょう?
 でも、あのまま冬休み入ちゃって、お正月になって」
「だからって、おもちにする必要ないじゃない」
「だって、他に浮かばなかったんだもん!」 (二期十話)


そして、μ'sの面々は学校のみんなにおもちを振る舞うわけですが、
このときの光景というのは、どこか二期第八話の次の光景と重ねられるものです。
希がふと思い出す、穂乃果がμ'sのみんなにお饅頭を振る舞う場面です。

lovelive15.png

この、いつかの光景というのは、穂乃果の家で食べ物を振る舞うという点において、
第十話でμ'sが学校のみんなにおもちを振る舞う場面と近いと考えられます。
ただし、振る舞う人物と、振る舞われる人物はすげ変わっています。
すなわち、第八話では穂乃果がμ'sのメンバーにお饅頭を振る舞うのに対し、
第十話ではμ'sのメンバーが学校のみんなにおもちを振る舞っているのです。

振る舞うのはμ'sのメンバーに、振る舞われるのは学校のみんなにシフトしています。

この第八話と第十話との差異は、これまでと今との差異と考えることができます。
というのも、第八話は希の想いを通して、μ'sの「これまで」を振り返る側面がありました。
先のお饅頭の場面というのも、第一期の物語の末、
希が現実に手に入れることができた「夢」の光景であったと言えるでしょう。
九人が歩んできた「これまで」の結果が、
あのお饅頭の場面で象徴される、いっしょの光景だったのです。
それは第一期の物語の結果とも言うべき、「九人の景色」でした。

それに対して提示されたのが、第十話の「今」だったとは考えられないでしょうか。
そこでは九人がいっしょなのは既に前提となっています。
そして、新たなメンバーが、先のいっしょの光景に加わっているのです。
その新たなメンバーというのが、学校のみんなでした。
第十話は、既に九人だけではないことを対比的に示したと言えるでしょう。
これは、第二期のここまでの物語の末、手にした結果に他なりません。
ラブライブ優勝を掲げたμ'sの面々が、学校のみんなに応援を呼びかけ、
学校のみんながそれに応えたからこその、「九人の景色の先」であったのです。

もちろん学校のみんなは、第一期の時点で既にμ'sに近くありました。
特に、穂乃果のクラスメイトの、ヒデコ、フミコ、ミカの三人は、裏方を早くから手伝っており、
単なるμ'sのファンというだけのところから脱却していたと考えられます。
しかし、彼女たちも第一期の時点では、あくまで、
μ'sの外側にいる存在として強調されていた気がします。

第一期第十二話で、穂乃果がμ'sを脱退した後、
彼女たち三人と遊びに行っていたことは象徴的です。
あの状態の穂乃果が三人とともに在ることができたのは、
彼女たちがμ'sの外に在る三人であったからに他なりません。
第一期の時点では、彼女たちも含めた学校のみんなが、
μ'sといっしょに進んでいく者としては描かれていなかったと考えられます。


このことは、第二期第十話と対比的な、第二話の次の場面から判断できます。
というのもそこでは、穂乃果たちも、学校のみんなをともに歩く仲間とみなしていないのです。
合宿の最中、穂乃果がμ'sの在り方について、温泉で語っているところに注目します。

「私、まだできてない……」
「できるよ!」
「でも……」
だって、九人もいるんだよ!
「穂乃果ちゃん!?」
「誰かが立ち止まれば、誰かが引っ張る。誰かが疲れたら、誰かが背中を押す。
 みんな少しずつ立ち止まったり、少しずつ迷ったりして、それでも進んでるんだよ!
 だからきっと、できるよ! ラブライブの予選の日は、きっと上手くいくよ!」
「うん!」
「そうだね」 (2期2話)


ここで穂乃果は明らかに、μ'sの九人のみが、
いっしょに進んでいくことを想定しています。
そこに、学校のみんなは入り込んでいません。
少なくとも第二期第二話までは、学校のみんなは外部と考えられていたのです。
しかし、この状態は第十話では変化しています。
絵馬を前にして、穂乃果が気付く場面を見てみましょう。

「そっか! 分かった! そうだ、これだよ!」
「何なのよ、いきなり」
「μ'sの原動力! 何で私たちが頑張れるか!
 頑張ってこられたか! μ'sってこれなんだよ!」
「これが?」
「うん! 一生懸命頑張って、それをみんなが応援してくれて、
 いっしょに成長していける。それが全てなんだよ!
 みんなが同じ気持ちで頑張って、前に進んで、少しずつ夢を叶えていく。
 それがスクールアイドル! それがμ'sなんだよ!」 (二期十話)


ここでは、学校のみんながいっしょに進んでいく者とみなされています。
この第二話と第十話との違いを鑑みるに、
ラブライブの予選が重要なターニングポイントであったと言えるでしょう。
そこで、A-RISEという強大な外部と対峙するに当たって、
これまでμ'sがアイドルとして対峙すべき外部であった学校のみんなは、
μ'sの後ろに回って支えてくれる仲間となったと考えられます。

実際に、第三話や第九話は、彼女たちが後ろからμ'sを支えるところを描いていました。
これらの場面で学校のみんなは、μ'sが先へ進むために不可欠な役割を演じています。
彼女たちがいなければ、μ'sは敗退し、夢を叶えられなかったかも知れないのです。

ここが重要な転換点であったと思います。
第一期では、学校のみんなはそのような役割までは演じていませんでした。
ヒデコ、フミコ、ミカすらもそうです。
例えば、ステージの裏方がいなくて、このままではどうしようもないところに、
三人が颯爽と現れるというような描かれ方はされていませんでした。
しかし、第二期では、まさしくそのような描かれ方がされているのです。
第二期の中で、学校のみんながμ'sの前進に不可欠な存在として登場し、
その結果として、彼女たちはともに「夢を叶えていく」存在になったと言えます。
そう考えると、先のおもちを振る舞う場面は、
やはり、このような第二期の物語の結果としての、
「九人の景色の先」であったと言うことができるでしょう。

結論として第十話は、第一期で穂乃果がμ'sのメンバーを巻き込んだ結果、
手に入れることのできた「九人での景色」に対して、
第二期でμ'sが学校のみんなを巻き込んだ結果、
手に入れることとなった「九人での景色の先」を明示したと言えます。
「穂乃果とメンバー」の物語は、「μ'sと学校のみんな」の物語へと展開したことを、
お饅頭を振る舞う場面とおもちを振る舞う場面の違い、更には、
穂乃果の温泉での語りと絵馬の前での語りの違いが示していたのです。

しかし、第二期第十話で、広がり開かれた「みんなで叶える物語」は、
第十一話において反転し、再びμ'sの九人に焦点を当て始めたように思います。
三年生三人の卒業を目前にして、もう一度「九人の景色」が強調され始めるのです。
ここをどのように解釈し、作品全体をどのように考えるのかという問題は残っていますが、
ともあれ第二期第十話までは、これまでの「穂乃果とメンバー」の物語が、
「μ'sと学校のみんな」の物語に広がり開かれていく作品であったと言えるでしょう。、
次回はこの今回の考えを踏まえ、作品全体をまとめたいと思います。



○関連記事

   「意志」と「いま」の物語へ (第一話)
   支え合い、補い合うμ'sというグループ (第二話)
   どうにもできないことを受け止めて (第五話)


テーマ:ラブライブ!
ジャンル:アニメ・コミック

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