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前に進むために必要な「慰め」と「励まし」 (サブロウタ『citrus』)

2014.04.05 12:24|百合作品
citrus (2) (IDコミックス 百合姫コミックス)citrus (2) (IDコミックス 百合姫コミックス)
(2014/03/18)
サブロウタ

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今回は、先日二巻も発売された『citrus』について考えたいと思います。
最初に、読んだことのない方向けに裏表紙の概要を引用してみます。

見た目はギャルなのに一度も恋をしたことがないjk・柚子は、
親が再婚した都合で女子高に編入することに。
彼氏ができない!と不満爆発の転校初日、
黒髪美人の生徒会長・芽衣と最悪の出会い方をする。
その後、偶然芽衣とイケメン担任教師のキスシーンを目撃し、
心とは裏腹にそのシーンが胸に焼き付いてしまった柚子。
さらに生徒会長と義理の姉妹の関係になり、
同室で生活することになってしまい…!?
正反対のjkふたりが反発して惹かれ合って。
姉妹のlove affair、始まる! (1巻裏表紙)


かなり長い紹介文ですが、要所を的確に掴んでいると思います。
一言で言えば、帯にあるように、「純情ギャル」の柚子と、
「黒髪ビッチ」の芽衣が姉妹になり、段々と近付いていく物語です。
そう書くと軽い感じがするかも知れませんが、実際は二人の姉妹としての関係、
家族と芽衣の関係、柚子の芽衣への想いなどを丁寧に描いています。
興味を持った方はお手に取ってみるとよろしいかも知れません。

さて、今回は二巻の「8. out of love」(以下「八話」)を中心に考えていきます。
この話は、学院には今後戻らないという父親の意志を知り、
芽衣が不安定な精神状態になってしまったところから始まります。
そこから柚子が芽衣を立ち直らせるのですが、
そのときに必要だったものとは何であったのでしょうか。



○サブロウタ『citrus』:前に進むために必要な「慰め」と「励まし」


まずは、八話において極めて重要な場面を引用します。
「芽衣が本当に必要としてるもの」に、柚子が気付く場面です。
クラスメイトのはるみと話している中で、柚子は気付きます。

芽衣のためにあたしができること…
芽衣が本当に必要としてるものって… 家族…? お父さん?
なんかちがうんだよなぁ……
ううう… わからん……

「っぷ あはははははは」
「なに急に笑い出して……」
「いやぁ ユズっち 今日は朝から ずーっと同じ顔してるんだもんさ」
「あたしだって悩みごとくらいあるよー」
「ごめんごめん いろいろ大変そうだもんな ユズっち
 まーなんかあったら いつでもこのはるみママが慰めてやっからよ」
「人を犬みたいにー」
「おーよしよしユズっちー」
…… あ…! これだー!!」 (2巻127-129ページ)


ここで柚子は「芽衣が本当に必要としてるもの」に気付いていますが、
それが何かということは物語中で明示されているわけではありません。
この後柚子は芽衣を前に進ませることに成功しますが、
結局芽衣に何が必要であったかということは、改めて述べられるわけではないのです。
八話はそれを曖昧にしたままで終わってしまいます。
そこでこれが何であったのか、考えてみる必要があります。

柚子がはるみに慰めてもらっている最中に答えに気付いたことを鑑みると、
それは、頑張りを認めて慰め、励ましてくれる存在であったと考えられます。
実際に柚子は、直後に校内放送を使って芽衣を慰め、励ましています。

「芽衣聞いて! お父さんのため 学院のために…
 一生懸命な芽衣を…あたし 見てたから!
 芽衣はよくやったよ! だからもう 自分を責めないであげて
 誰かのために頑張るのはおしまいにしようよ
 芽衣! …パパのお見送り行こう?
 待ってるから!」 (2巻134-136ページ)


これを受けて芽衣は立ち直り、自分の意志で進むことを表明することになります。
こうした「慰め」「励まし」が、ここでは必要なものとして提示されていたと思います。
それらにより傷が癒されなければ、前へと進んでいくことはできないのです。

一見一人で果敢に行動してきたように見える柚子も、
要所においてははるみの「慰め」や「励まし」を受けて再起してきました。
とりわけ退学処分を受けた後の柚子の復活というのは、今回の芽衣の再起と重ねて考えられます。
はるみのおかげもあって柚子が立ち直る場面を引用してみましょう。

「アイツのためにいろいろやったけど…
 本心もわからなかったし思いっきり傷えぐったみたいだし…
 結局あたしはアイツのお姉ちゃんにはなれなかったってことか」
「まぁまぁユズっち ユズっちは頑張ったと思うよ
 そんなに頑張ってくれる姉がいたら 妹は本当に幸せモンだね
 きっと気持ちは伝わってるって」
「……」

――気持…ち…? あたしはアイツになにを伝えたかった――?
 ああ…そうか… これが恋なんだ…

「ユズっち! 大丈夫か? 愚痴なら全部あたしに言え な?」
はるみん励ましてくれてありがとう
 あたし まだまだやれることあったわ
「なんかよくわかんないけど吹っ切れたみたいじゃん
 いつものユズっちだ!」 (1巻103-106ページ)


柚子にははるみの「励まし」が必要であったことが分かります。
この柚子が立ち直る場面も、後の芽衣が立ち直る場面も、
これまで通り一人では進めなくなった状況において、
そこまでの頑張りを誰かに認めてもらったことで再起を果たしています。

柚子にはこの退学処分のときの経験があったために、
八話で「芽衣が本当に必要としてるもの」に気付けたとも言えるでしょう。

結論として、八話の「芽衣が本当に必要としてるもの」というのは、
これまでの頑張りを認め、「慰め励ましてくれる存在」であったと思います。
傷ついた芽衣が「進む」ためには、彼女の父親とは別のそういった存在こそ必要でした。
この作品で「支える」(2巻125ページ)ということは、そのような形で現れています。

そう考えてみると八話は、「柚子にとってのはるみの重要性」が示された回でもあります。
形だけの「親友ポジション」ではなくて、柚子が進むためには欠かせない、
「慰め、励ましてくれる存在」として、彼女は登場しているのです。


テーマ:漫画の感想
ジャンル:アニメ・コミック

コメント

なるほど(^-^)

お久しぶりです(_ _)
この作品、行きつけの書店でも置いてまして、
コダマナオコ先生の『コキュートス』の隣にあったので、
どんな作品なのか気にはなっていたのです。
ただ、2巻目ということで手が出ませんでした。
天秤さんのレビューを読ませて頂きましたが、
なかなか面白そうなお話ですね☆
興味でてきました ((o(^∇^)o))

あっ、『レンアイマンガ』をついに見つけました!
めちゃめちゃ面白かったです!!
やっぱりコダマナオコ先生は私のツボだわぁ♪

返信です。

>まかろんさん

お久しぶりです。
百合姫の先月のコミックスが揃っているとは、なかなかの本屋さんですね。
『citrus』は絵が綺麗でもあるので、その辺りも要注目です。
私のブログだと文字しか抜かないのでアレなのですがw

『コキュートス』も面白かったですね。
最近のコダマナオコさんのお話は、
「結果としてどうなったか」を描かないものが多い気がします。
相手の方に踏み出すのか、駆け引きはどこに辿り着くのか、
二つとも続きが気になる作品であったと思います。

『レンアイマンガ』見つけましたか!
お気に召したようで幸いです。
結構王道な展開ですが、私はあの作品が一番好きですね。
最後に二人で昔のファンレターを見るところがほんわかします。
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アニメや漫画など、好きなものについて考えたことを書き込みます。
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