スポンサーサイト

--.--.-- --:--|スポンサー広告
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

文化祭に見える関係の変化と安定 (桜Trick:第六話考察)

2014.02.20 17:30|桜Trick
桜Trick (2) (まんがタイムKRコミックス)桜Trick (2) (まんがタイムKRコミックス)
(2013/02/27)
タチ

商品詳細を見る


先日、アニメ『桜Trick』の第6話が放送されました。
早くもアニメの大体半分が終わってしまったということになります。
そこで今回は内容を振り返り、物語がどのように進んできたのかを確認してみたいと思います。
ちょうど文化祭の話は、作品の一つ目の山場と言っても過言ではないものです。
しずくとコトネ、楓とゆず、春香と優の三組にそれぞれ注目し、
第6話ではどのように各々の関係が描かれているのか、私なりにまとめてみます。



○『桜Trick』第六話:文化祭に見える関係の変化と安定


第一に、しずくとコトネの関係に注目してみましょう。
二人の関係については、特に文化祭前夜に深く描かれていました。
星空の下、二人きりで語り合う場面を引用してみます。
コトネは文化祭に対して積極的なしずくに違和感を覚えます。

「なーんか 無理してなぁい? この前の魔女とかもさ
 自分から言い出すなんて意外っていうか…」
「どういう意味?」
「しずくちゃんてこんなイメージだったから」
「私そんなにスカしてるようにみえてた!?」

「…それ当たってるかも 実は私の中学も泊まってよかったの
 私は輪の中に入っていけなくて 作業終わらなくても帰っちゃってた」
「じゃあどうして今回泊まったの?」
あなたのおかげです よ

「コトネがこういう行事楽しもうとすることが不思議で
 私も同じ事したら分かるかなって思ったの
 どうしてそこまで楽しもうとするの?
 コトネだって最初はそんなんじゃなかったじゃん」
「三年間って短いよ 大事にしなさいよって 姉に言われたことがきっかけかなぁ」
「私は三年間なんて長く感じるけどな…」
「でもでもー 好きな人といると自然とどんなことでも楽しくなるじゃない 私今楽しいもの!」
「! だったら私だって 今 楽しいよ 無理じゃないよ…」 (6話、2巻29-30ページ)


しずくのこうした変化は、肝試しの話でも示唆されていました。
すなわち、そのときの記事でも述べたように、
しずくは一度中止になった肝試しをそれでもやろうとしたのであり、
そこにはコトネのような「積極性」を見出すことができます。
こうした変化の意味を作中で明瞭に示したのが、上記の部分と言えます。
肝試しの仕掛け人として頑張る姿は、おそらく従来のしずくらしくはありません。
そうした「らしくない」行動がコトネの影響による彼女の変化であり、
決して「無理じゃない」ことが、本人の口から語られているのです。

『桜Trick』は春香が優に返していくことを決意するところから始まる物語であり、
「中学の頃からの変化」をテーマの一つにしているということは、以前の記事で述べた通りです。
文化祭の話では、しずくの「中学校の頃からの変化」の達成が描かれています。
肝試しの話と連続して描かれてきたしずくの成長は、ここで一つの完成を見るのです。
よって、二人の物語はここで一つのターニングポイントを迎えて、
次からはコトネの家に関わる別の課題に向き合っていくことになります。


第二に、楓とゆずの関係に注目してみましょう。
二人の関係については文化祭当日に記述がありました。
ふと楓がクラス委員をやっている理由が話題となった場面です。
ゆずは春香や楓に色々と煽られた結果、これについて思い出そうと躍起になります。

そっか 楓は昔から私に張り合ってきたんだよなぁ

「クラス委員やりたい人ー!」
「はーい」
「ハイハーイ」
「あら楓ちゃんも? じゃあジャンケンしてくれる?」

「ジャンケンぽん!」
「やったー! あたしの勝ち」
「じゃあクラス委員はゆずちゃんに決定ね」
「ぬうぅ 来年からは私がクラス委員の座を奪ってやる… おぼえておれ…」

「うーん 違う」
「じゃあ なんなの!?」
「その頃ゆずが大量のノートを運んでてさ
 前が見えなくて 階段から落ちて ケガしたんだよ」
「そんなことあったっけ?」
だからゆずにそんな痛い思いさせないように
 これからはこういう事は私が引き受けようと思ったんだ
「そうだったんだ…」 (6話、2巻39ページ)


ここで重要なのは、春香がこの話題のきっかけになっているということです。
ゆずは春香に言われなければ、楓が委員長をやる理由など気にも留めなかったでしょう。
ゆずと楓にも自分たちと同じような関係を勝手に期待している春香が、
ゆずが知らないことを問題視したからこそ、最終的に楓が理由を語ることになりました。
言うなれば、ゆずと楓の関係に一石を投じるものとして春香が現れているのです。

ここでの話の展開は、この後に繋がってくるものだと思います。
すなわち、春香と優を初めとする周囲の影響で、楓とゆずも少しずつ変わり始めるのです。
ゆずと楓は、これまで「特別な関係」にはほとんど縁のない人物として現れていました。
二人は初登場の時点で、腕組みすら普通じゃないという立場を表明しています。
そして、ゆずは文化祭でもこの立場を崩していません。
楓との間に、彼女の考える友達としての距離を依然取り続けています。

しかし、その距離のままであればずっと分からなかったであろう、
楓が委員長をやる理由は春香をきっかけとしてゆずに知られることになりました。
この話は象徴的で、二人は今後このように、周囲の影響を受けて少しずつ変容していきます。
以前の記事で、『桜Trick』は「特別な関係の外側」も描く作品であると述べましたが、
まさしくこの文化祭の話から、外側であった二人が変わっていくことになるのです。
とりわけ楓は明らかに影響を受けていきます。
よって、楓とゆずの関係も、ここを境に新章に突入すると言えます。


というわけで文化祭の話は、しずくとコトネ、楓とゆずの二組にとって、
一つのターニングポイントとなっています。
ここから、これまでとは少し異なる事柄を問題にしていくことになるのです。
ただその一方で、春香と優についてはいつも通りの日常を過ごしています。
文化祭の当日に、二人が仲直りする場面を引用してみましょう。

「本当にごめんね 春香」
「もう怒ってないからいいって」
「だって私が楽しい思いしてる間 春香はずっとモヤモヤしてたんでしょ?
 今だけ春香の好きにしていいよ」

え? 冗談なのかな? …なわけないよね

「じゃあ好きにしちゃう」

私と優ちゃんは体育館が明るくなるまでずっとキスしてた
バンド演奏はいつの間にか終わっていて 音なんて全然聴こえなかった
聴こえたのは 優ちゃんの鼓動と 吐息と
唇と唇から微かに漏れる声だけ (6話、2巻41-42ページ)


これはただの個人的な感想ですが、この後で二人の会話などが差し挟まれず、
春香の独白のままで文化祭の話の幕が引かれるというところがいいんですよね。
張りつめた空気を弛緩させないことで、いい余韻を残している気がします。

さて、ここで二人は仲直りするわけですが、ここまでの展開というのは、
「特別な関係」である二人であるからこその、いつも通りのものと言えます。
実際に第5話では、これに対応するよく似た流れで話が進行していました。
すなわち、春香が優へのサプライズも兼ねて美月を朗読劇に誘おうとしたとき、
優は春香が黙っていなくなっていたため怒ってしまいましたが、
このときも二人はやはりキスで仲直りをするのです。
文化祭の話と極めて似た流れを踏んでいることが分かります。
このことを鑑みると、しずくが三年間を楽しむために行動できるようになり、
ゆずが春香の問題提起で楓の気持ちを知ることになった一方で、
春香と優は文化祭で重大な局面を迎えているわけではありません。

彼女たちの関係の変化は、ここでは温存されています。
この事実が、他の二組との対比で結構目立っていると思います。

また「仲直り」と言えば、第2話のしずくたちの話を思い出せますが、そことの違いも顕著です。
すなわち、第2話の記事でも述べたように、しずくたちの場合は「仲直り」は「告白」を含むもので、
それによって関係が明らかに進展したと言えました。
しかし春香たちの場合、「仲直り」は文字通りの「仲直り」で、
それによって関係が進むわけではなく、元の関係に回帰するだけであったと言えます。

「特別な関係」はケンカによって動揺せず、十全に堅持されるのです。
この意味でも、春香と優の関係の安定が際立っています。

この安定が意味するものは、春香と優の関係が内発的には変化しがたいということです。
二人の「特別な関係」はそれだけ既に堅固なものになっていると考えられます。
よって、二人が関係を進展させるのならば、もっと決定的な、外発的な要因が必要です。
春香と優の関係については、そのようなことが示唆されていると言えるのではないでしょうか。



○関連記事

  キス以外に注目して見る『桜Trick』 (第1話)
  仲直りと告白の物語 (第2話)
  かしましい「肝試し」の裏には (第4話)


テーマ:桜Trick
ジャンル:アニメ・コミック

コメント

非公開コメント

プロフィール

天秤

Author:天秤
天秤と申します。
アニメや漫画など、好きなものについて考えたことを書き込みます。
よろしくお願いいたします。

カレンダー

06 | 2017/07 | 08
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -

カテゴリ

最新記事

最近のつぶやき

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

アクセスカウンター

全記事表示リンク

全ての記事を表示する

RSSリンクの表示

リンク

QRコード

QR

  • ページトップへ
  • ホームへ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。