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歌詞に注目して聴く『jewelries』 ――シンデレラガールズらしい恋愛ソング

2013.12.13 17:00|アイドルマスター
はじめに


今回は、祝!シンデレラガールズ二周年ということで、
彼女たちの歌う『jewelries! 001』シリーズについて考えます。
この作品は発売から既に二か月以上経過していますが、
出先で何度も聞くうちにふと色々と気付いたことがあったため、
二周年の記念に今こそそれをまとめてみたいと思うのです。

とりわけ注目するのは、三つの『jewelries 01』の先鋒を務めている、
『Nation Blue』『アタシポンコツアンドロイド』『Orange Sapphire』です。
これらの三曲の歌詞について考えてみて、気付いたことをまとめていきます。
それぞれ一曲だけでも色々と想像の膨らむ内容ではあるのですが、
三つ並べることで見えてくるものもあると思います。

例えば、この三曲はどれも恋愛と解せるような二人の関係を描いた作品です。
『Nation Blue』は「キミ」との関係、
『アタシポンコツアンドロイド』は「ご主人様」との関係、
『Orange Sapphire』は「あなた」との関係を描いています。
けれども、それぞれの具体的な内容は三曲三様です。
まずはそこに注目してみます。

また特に主張したいのは、この三曲が凛・卯月・未央の持ち歌である、
『Never say never』、『S(mile)ING!』、『ミツボシ☆☆★』の中で歌われているイメージに、
それぞれ近いものを表わしているのではないかということです。

このイメージの類似から、『jewelries』の先鋒三曲の持つ、
「シンデレラガールズらしさ」について考えることができると思います。
次にその点について論じていきます。

それでは、この三曲を今改めて鑑賞してみましょう。
もしよろしければCDを傍らに、少しの間お付き合いください。



①『Nation Blue』:「前を向く」イメージ


THE IDOLM@STER CINDERELLA MASTER Cool jewelries! 001THE IDOLM@STER CINDERELLA MASTER Cool jewelries! 001
(2013/09/25)
渋谷凛(CV:福原綾香)、高垣楓(CV:早見沙織) 他

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まず、クールの面々が歌う『Nation Blue』の歌詞に注目してみましょう。
この曲は終盤、三回目のサビよりただならぬ過去の転機を想像させます。

夢を追った 僕たちは それがそこにあると信じてた
青い光は 淡く 笑顔と涙映し

諦める事無く 前を向いて 自分信じてね
いつもキミを見てる


ここの「夢を追った 僕たちは それがそこにあると信じてた」という部分や、
「涙」という語から、何らかの誤算や挫折があったことを窺い知れるのです。
この曲は、そうした事件の「その後」の段階を描いたものであると考えられます。
かつて「キミ」と一緒に「夢を追った」であろう語り手の「僕」は、
今は「いつもキミを見てる」状態に留まっています。
何らかの出来事を通じて、「僕ら」の間に変化があったことが暗示されているのです。

けれども、その誤算や挫折が詳しく語られることはありません。
『Nation Blue』の強調点は、その転機ではなく「その後」の「僕」の願いの方です。
曲の中では、少しずつ言葉を変えながら、次のようなフレーズが繰り返されています。

あの日見た景色が 光るBlue Topazのように
今も輝いて 僕ら照らしてる
速く速く速く もっと走れるから信じてね
思う事の強さ それが最後のDestination


何かがあった「その後」、「キミ」に更に前に向かって行って欲しいという「僕」の願いが、
「速く速く速く もっと走れるから信じてね」という語りかけに見て取れます。
似通った「キミ」へのメッセージは、冒頭から末尾まで、五回に渡って繰り返されています。
ここで特徴的なのは、「キミ」の「前を向く姿」を願って終わっているところです。
その結果として「キミ」にどうなって欲しいのかということについては語られていません。
二人の「夢」の中身よりも、そこへ自信を持って駆けて行くことの方に力点があるのです。
この「前を向く姿」を強調しているという点が、凛の『Never say never』を想起させます。

愛に包まれて 気付いた いつも沢山の笑顔ありがとう
ずっと ずっと 真っすぐに 見つめて
振り返らず前を向くよ だけどいつまでも見守っててね
強く そう強く あの場所へ 走り出そう

どこまでも走ってゆくよ いつか辿り着けるその日まで


これは『Never say never』の最後の部分です。
ここでも、「前を向く姿」を描くところまでで終わっていることが確認できます。
同じように、「あの場所」の中身よりも、そこへ走っていく姿の方が強調されているのです。
それどころか、『Never say never』の歌詞には、
ところどころ『Nation Blue』と対応しているのではないかと取れる部分が存在しています注1
『Never say never』の「振り返らず前を向くよ だけどいつまでも見守っててね」に対する、
『Nation Blue』の「諦める事なく 前を向いて 自分信じてね いつもキミを見てる」などです。
片や「僕」の側からの歌、片や「キミ」の側からの歌として聞いてみても面白いかもしれません。

結論として『Nation Blue』は、二人の関係の「その後」とでも言うべきものを描いています。
またその中で強調される「前を向く姿」は、『Never say never』にも見出すことできます。



②『アタシポンコツアンドロイド』:「跳躍する」イメージ


THE IDOLM@STER CINDERELLA MASTER Cute jewelries! 001THE IDOLM@STER CINDERELLA MASTER Cute jewelries! 001
(2013/10/09)
島村卯月(CV:大橋彩香)、小日向美穂(CV:津田美波) 他

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次に、キュートの面々が歌う『アタシポンコツアンドロイド』の歌詞に注目します。
この曲は冒頭より、初めての恋愛感情であたふたと動揺するアンドロイドの姿を描いています。

どきどき 恋しちゃったの スキスキご主人様 ルン
セルロイド眼鏡がラブリー
家政婦 地味ドロイドが 恋してるなんてバカな
あなたは たぶん 気づかない


この「どきどき 恋しちゃったの」という箇所から、
この曲が家政婦のアンドロイドの恋の「はじまり」を描いた曲であることが分かります。
実際に、直後には「きゅんときた瞬間に 何かはじまったの」と続いています。
そしてここから一貫して、『アタシポンコツアンドロイド』は、
恋が始まったことによる心のドキドキを描き尽くしたものになっています。
かなりコミカルでありながら、どこか共感できる心の中の大騒ぎが印象的です。

この歌で注目すべき点は、言うまでもなく、
心情の語り手である「アンドロイド」の少女です。
曲中では、彼女に起こった急激な変化が、次のように言い表されています。

ニンゲンになっちゃったかも?(びっくり!)
ミラクル来るってこんなの?(ちゅるるるるるる)
今日からやっかいな恋する女の子なんです


恋を知ることのないはずの、ただの家政婦アンドロイド。
その彼女が「ミラクル」によって、恋の「はじまり」を初めて体験したときの変化が、
「今日からやっかいな恋する女の子なんです」という部分で象徴的に示されています。
こうして描かれているのは、アンドロイドから人間の少女へと「跳躍する姿」です。
この「跳躍する姿」は、卯月の『S(mile)ING!』を想起させます。
そこでも、一人の少女が瞬間的に「跳躍する姿」が扱われていました。

憧れてた場所を ただ遠くから見ていた

隣に並ぶ みんなは まぶしく きらめく ダイアモンド

スポットライトに Dive!
私らしさ 光る Voice!
聞いてほしいんだ おっきな夢とメロディ


これが『S(mile)ING!』の冒頭の部分です。
ここでも、アンドロイドが人間の少女へと跳躍していたのと同じように、
遠くから見ていた状態からみんなに歌を届ける今の状態へと跳躍していることが分かります。

この「跳躍する姿」というのは、ある意味で最も「シンデレラ」のイメージに合ったテーマと言えます。
シンデレラも、灰かぶりだった少女がお姫さまへと跳躍する物語であると考えられるためです。
『アタシポンコツアンドロイド』は三曲並べてみたときに、
かなりエッジが効いている、吹っ飛んだ曲であると思われがちですが、
そう考えてみると最も「シンデレラ」ガールズらしいと言えるのかもしれません。

結論として『アタシポンコツアンドロイド』は、恋の「はじまり」を描いています。
またその中で強調される「跳躍する姿」は、卯月の『S(mile)ING!』を彷彿とさせるものです。



③『Orange Sapphire』:「いっしょにいる」イメージ


THE IDOLM@STER CINDERELLA MASTER Passion jewelries! 001THE IDOLM@STER CINDERELLA MASTER Passion jewelries! 001
(2013/10/02)
本田未央(CV:原紗友里)、諸星きらり(CV:松嵜麗) 他

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最後に、パッションの面々が歌う『Orange Sapphire』の歌詞に注目します。
この曲は一貫して明るい雰囲気で「あなた」との関係を綴っていきます。

明日は何をしよう(cha cha cha)
明日はどこへ行こう?(cha cha cha)
やりたいことがありすぎてホント 困っちゃう

いっしょに 叶えちゃおう(cha cha cha)
全部ね、叶えちゃおう
その胸に たくさんのハッピー 感じてくれるかな?


弾けんばかりの「あなた」への気持ちが、こちらまで伝わってくるようです。
恋愛にまつわる心のてんてこまいを描いている点では、
『アタシポンコツアンドロイド』に似ているとも考えられますが、
「明日は何をしよう」という部分、「いっしょに 叶えちゃおう」という部分には、
既に「Mr.boy friend」との恋愛の「真っ最中」であることを感じられます。
少し前の「もうすこし シンデレラパワー 信じたいから」という箇所からも分かるように、
語り手は現在、夢のような日々の中にいるのです。

このように『Orange Sapphire』は、『アタシポンコツアンドロイド』とは種類の異なった、
恋愛による心の弾みを語っていると考えることができると思います。
曲の中で、最も特徴的な部分を以下に引用してみます。

いっしょにお花見しようね
いっしょに花火へ行こうね
いっしょにお月見しようね
いっしょにスキーにいこうね
いっぱいドキドキしようね
いっぱいワクワクしようね
いっぱい夢を見ようね

約束よ♪


「いっしょに」という言葉と、「~しようね」という呼びかけ。
二回目のサビの後のこの波状攻撃は、印象に残りやすい部分であると思います。
「あなた」と「いっしょに過ごしたい」という気持ちが率直に述べられています。
ここを初めとして曲中でずっと強調されているのは、誰かと「いっしょにいる姿」です。
この「いっしょにいること」の重視は、未央の『ミツボシ☆☆★』に繋がります。
その中でも誰かとの「繋がり」が象徴的な言葉とともに歌われていました。

燃やせ友情!パッションはミツボシ☆☆★

なやみゴト尽きない時代だ
そばにいてくれる友達に感謝

「どんな時も仲間がいるから」
なんて照れちゃう事
真顔で言えちゃう

夢に夢見た 大フライト
手をつないだら
大気圏突入も 怖くない


『ミツボシ☆☆★』の冒頭の部分です。
上に向かって行くに当たって、横の繋がりが大切であると描かれていることが、
「手をつないだら 大気圏突入も怖くない」という部分に表れています。
強調されるのは「友達」、「仲間」と並んで「いっしょにいる」ということです。
もちろん、恋愛と友情では全然異なると考えることもできるでしょう。
しかし、誰かと「いっしょにいる」ということを大切に思う語り手の気持ちに注目すれば、
『Orange Sapphire』と『ミツボシ☆☆★』の抱くイメージは似ていると捉えることができます。
隣にいる人を歌い、その人への気持ちを綴り上げるのがこれらの二曲なのです。

結論として『Orange Sapphire』は、恋愛の「真っ最中」を描いている曲です。
またその中で強調される「いっしょにいる姿」は、未央の『ミツボシ☆☆★』にも見出せます。



おわりに


さて、歌詞に改めて注目してみることで、三曲がそれぞれ、
二人の関係の「その後」、「はじまり」、「真っ最中」を描いているということが分かりました。
その意味で三曲は、三色それぞれの二人の関係を描いていると言えるように思います。

また、それぞれ「前を向く姿」「跳躍する姿」「いっしょにいる姿」を描いている点で、
どこか『Never say never』、『S(mile)ING!』、『ミツボシ☆☆★』に通じる内容になっていました。
ここから、三曲もまた、シンデレラガールズらしい曲であるということが改めて分かります。
というのも、その中で描かれる「前を向く姿」、「跳躍する姿」、「いっしょにいる姿」というのは、
これまでにも様々な形でシンデレラガールズのアイドルに託されてきたものだからです注2
例えば、先日完結したコミックスの『ニュージェネレーションズ』は、
凛・卯月・未央の、そうした三つの姿を描いたものではなかったでしょうか。

そういったテーマを、三曲は主に恋愛という領域において表現している。

三曲の「シンデレラガールズらしさ」は、この点にこそ見出すことができます。
『Nation Blue』、『アタシポンコツアンドロイド』、『Orange Sapphire』は、
他ならぬ「シンデレラガールズの歌う」、恋愛ソングであると言えるのです。



 注1 ちなみに、どちらも遠山明孝さんが関わっている曲です。
 注2 ゲーム中でどのように現れているかということについては、以前の記事を参照してください。



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テーマ:アイドルマスターシンデレラガールズ
ジャンル:ゲーム

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