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姉妹や恋人のようで (原悠衣『きんいろモザイク』)

2013.11.24 12:58|きんいろモザイク
きんいろモザイク (4) (まんがタイムKRコミックス)きんいろモザイク (4) (まんがタイムKRコミックス)
(2013/09/27)
原 悠衣

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前回の記事では、忍とアリスの関係について、四巻の内容を肴にして考えてみましたが、
今回の記事では「陽子と綾の関係」について、既刊の内容を踏まえて考えていきます。
とりわけ、陽子と綾は自分たちの関係をどのように捉えているのでしょうか。
二人の関係について、今改めて考えてみることにしましょう。



○陽子と綾の関係:姉妹や恋人のようで


まず、陽子と綾の関係は「姉妹」「恋人」に近いものとして提示されることがあります。
すなわち、空太と美月、二人の姉である陽子は、綾を「妹」に重ねて考え、
恋愛乙女である綾は、綾と陽子を「恋人」に重ねて考えるのです。
陽子は実際に姉であることから、綾は恋愛に憧れる少女であることから、
自分たち二人の関係も「姉妹」や「恋人」という枠組みを使って捉えようとします。
実際に、そう考えられている場面を引用してみましょう。

「いいかげん機嫌直しなよー」
「べ 別に怒ってないわ」
「ケーキおごるからさ!」
「!」
――ケーキ…
綾みたいな妹ならかわいいのになー
「いもうと…?」
「私 何か変なこと言った!?」 (2巻99ページ)


ここで陽子は、自分と綾の関係を「姉妹」の枠に収めて考えてみています。
それに対して綾は、自分たちの関係を「恋人」の枠に収めて考えます。

「お昼ですが早弁したのでお弁当がありません
 からあげ一個ちょーだい?」
「しょーがないわね…」
――は…っ
「あ… あーあー」
「え!? 何っ」 (2巻25ページ)


ここで綾はバカップルの姿を見て、自分も陽子に「あーん」を試みています。
綾が、自分と陽子の関係を「恋人」の延長で捉えようとしていることが分かる場面です。

このように陽子と綾の関係は、主観の上で「姉妹」、「恋人」に近いものとして提示されています。
つまり、陽子にとっては「姉妹」に、綾にとっては「恋人」に重ねて考えられるような関係なのです。
しかし重要なのは、一方で二人が自分たちの関係を「姉妹」や「恋人」の延長で捉えながら、
他方でそれらの関係とは違ったものとしても捉えているということです。

それぞれの典型的な関係に、二人の関係はすんなりと収まるわけではありません。

第一に、陽子は実際に姉であるために、綾を妹のような存在として見ようとする一方で、
自分の実の妹とは異なる「一番」としても考えています。
陽子にラブレターが届けられた話の、次の場面での言葉に注目しましょう。

「手紙は嬉しいけど最初から断る気でいるよ」
「どうして!?」
相手が誰であっても綾の方が好きだからさ!」 (1巻101ページ)


ここで綾は「妹」のイメージの下で捉えられていません。
ラブレターの申し出を受けることで、その人と「恋人」になることは、
「妹」と両立するはずですが、陽子は誰であっても綾のために断ると言っています。
綾が「妹」に留まらない「一番」なので、ラブレターの申し出は受けられないのです。
ここでは「姉妹」という枠組みが先にあり、それに関係を当てはめているのではありません。
「姉妹」という言葉では回収できない、二人の関係が浮かび上がっています。

第二に、綾は恋愛に憧れているために、陽子を恋人として見ようとする一方で、
「恋人」のイメージの典型である、「白馬の王子様」ではないとも考えています。
忍が物語の才能を発揮する話で、綾も身近な人で色々と想像します。

「綾のことだから白馬の王子様とか?」
「そんなんじゃないわ ロバよ! 茶色の!!」
「ロバ!?」
陽子に白馬なんて似合わないわ
「私なんだ?」 (2巻105ページ)


ここで綾は、「白雪姫」のような「恋愛もの」に憧れている(2巻16ページ)にもかかわらず、
その中での「恋人」の典型的イメージである「白馬の王子様」の下で陽子を捉えていません。
同じような役割ではあるものの、乗っているのはあくまでロバです。
ここでもやはり、「恋人」という枠組みが先にあるのではありません。
むしろ陽子が先にいて、それに合わせて枠組みの方が変質しています。

こうした場面に表れているのは、陽子も綾も、
自分にとって身近な「姉妹」、「恋人」という典型的な関係に、
自分たち二人の関係を重ねて考えているだけではないということです。
一方で「姉妹」や「恋人」のような関係として捉えられていく二人の関係は、
他方でその「典型的な関係」であることを否定されています。

換言すれば、陽子は綾を「家族」のように、綾は陽子を「恋人」のように大事にしながら、
その枠に留まらない「綾」としても、「陽子」としても、大切にしているのです。

二人の関係は「姉妹」や「恋人」のような関係として提示されながら、
それでいて同時に、それらと等しくはないものとして提示されています。
そうした典型的な関係であることを否定したところに、「陽子と綾の関係」はあるのです。


テーマ:きんいろモザイク
ジャンル:アニメ・コミック

コメント

陽子はどうして陽子なの…?

こんにちは (^-^)
きんモザの記事とあっては、
黙っていられません(笑)
天秤さん、よく見てますよね☆
まるでカレンのよう( ̄▽ ̄)b

「みんなのお姉さん」的な陽子と、
「恋に恋する」綾の関係は、
絶妙なバランスで成り立っています。
そこに陽子の「鈍感さ」と
綾の「ツンデレ」という
さらなるスパイスが加わって、
とっても味わい深い物語になってます。
進級時のクラス分けによって二人が離れたことで、
今後どうなっていくのか楽しみです((o(^∇^)o))
キャラが成長していくのも本作の魅力ですし。

お気に入りのエピソードを1つ挙げようと思いましたが、
私には好きな話がありすぎて絞れません…。
わらしべ長者でのツーショット写真即買いもよかったけど、
やっぱり美月と空太が学校に来た回の
綾の自問自答ツッコミも捨てがたい☆
二人の関係がよく出てましたよね。

大丈夫、素直になれば
ちゃんと伝わるわ。
陽子は単純バカだから…。

…それができたら苦労しないわよ!!

返信です。

>まかろんさん

ふたたびコメントありがとうございます。
私もまかろんさんの『大室家』や『桜Trick』の記事など、楽しく拝読しております。
いつも咄嗟にコメントが思いつかず、拍手のみになってしまって申し訳ないです……!
私は記事を書くと変に理屈っぽくなってしまう傾向があるので、
自分の好きな部分を真っ直ぐに述べる、まかろんさんの記事はいつも眩しいです。

私も空太と美月が本格的に登場してきた、あの話は大好きです。
自分にノリツッコミする綾はかわいかったですよねw
確かアンソロでも綾が空太と美月と絡む話を描いていた方がいらっしゃいましたが、
どこか似たもの同士な三人の絡みは見ていてほんわかします。
空太と美月がすぐにそれぞれに対する「上手い嘘」をついていたことを鑑みると、
二人は他者の気持ちに敏感で、陽子とは本当に正反対なんだなあ、と思います。

陽子と綾の関係は、テンプレな姉妹や恋人をなぞっているようで、
そうではないところもあるというところが面白いですよね。
今後どうなっていくのか、おっしゃる通りとても楽しみです。
単行本派の私は、なかなか続きが読めないのが辛いところ……。

まあ、綾がいつか気持ちを伝えられるように、お互いに祈り続けましょう!w
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Author:天秤
天秤と申します。
アニメや漫画など、好きなものについて考えたことを書き込みます。
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