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演技ができるからこそのあこの問題 ――すばるのファンからアイドルに転換する過程において

2016.08.21 16:32|アイカツ!
今回は、第十六話、第十七話にかけてのあこに注目してみたいと思います。
第十七話では、あこに焦点が当てられて、彼女のすばるへの想いと、
アイドルとして一歩前進する様が描かれていました。
この記事では、そこで描かれたあこの直面した問題が、
どのようなものであったのかを改めて考えていきたいと思います。
あこは、すばるへの想いが先行するあまり、アイドルとして振る舞うことができませんでした。
この問題の奥にあったものは何であるのか、第十六話との連続性の間に考えていきます。
もしよろしければお付き合いください。

ここ二話のあこに注目してみると、彼女の課題の一つとして、
「演技が上手いこと」が逆にあったのかも知れないと思います。
演技が上手いということは、自分が在ろうとするもののように在れるというわけで、
その選択可能性が強みにもなれば弱みにもなります。
つまり、自分が在ろうとするもののように在れる中で、
その場にあった、適切なものを選択できれば強みになるのですが、
その場にあった、適切なものを選択できなければ弱みになってしまうと考えられるのです。
ここ二話のあこは、そういう「何を選ぶか」という問題に直面していました。

ドラマ等の役が与えられる仕事においては、その場にあった、
適切なものが既に規定されており、
そこから外れることが原則としてあり得ないために、
この選択の問題は顕在化しません。
演技が上手ければいい。
しかし、自分のある程度の自由が利く場合においては、問題となるのです。

ここ二話のあこの仕事は、
まさしくその演者側のある程度の自由が利く場合に該当していました。
第十六話では、ステージ前の劇組パフォーマンスについて、
ツバサと打ち合せをして決められたでしょうし、
第十七話では、台本ががちがちで決まっておらず、
出演者の側の裁量がある程度認められていました。

そして、あこは、そういう連続した自由な状況下において、
いずれも適切な選択をできなかったのではないかと思うのです。
第十七話は、言うまでもなく、M4と同じ舞台に立つ「アイドル」であるべきところ、
「すばるのファン」であってしまいました。

しかし、特筆すべきは、あこがかなたの指摘とゆめの努力を受けて、
最終的に気持ちを入れ替えたときに、彼女が極めて円滑に、
ファンからアイドルへとスイッチを成し遂げたということです。
演技の範疇からやや外れているとは言え、
この部分は、演技が上手いあこだからこそであったとも考えられます。

つまり、あこは、アイドルであろうとすればそうあれるのに、
それを選択できないことが問題であったのであって、元々の技術は高いにも関わらず、
その技術を生かせないというところが取り上げられているのです。
そして、それが直接的な演技の領域でも顕在化したのが第十六話です。

というのも、第十六話であこが演じたとされる、おどおどしている一年生の役は、
彼女の演技が秀逸であればあるほど、
そういった一年生であると本気で受け取られることとなるので、
決して良い評価を勝ち取りえないものではないかと思うのです。
そこが劇組が四位であった一因であったような気もします。

「アイドルとしての意識」と一口に言っても、それには色々な側面があると思いますが、
あこにやや欠けていたのは、そういう「ファンに対する想い」なのかもしれません。
第十五話で、あこは生徒たちに「応援は不要」と突っぱねました。
そこには、この想いが欠けていたことを見出せるかも知れません。
もしファンを想うことができれば、ファンがアイドルに求める、
その場にあったものを演じられたとも考えられます。
すばるを見る者からファンに見られる者への転換において、
こういった問題が明らかになっていたのではあいでしょうか。


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テーマ:アイカツ!
ジャンル:アニメ・コミック

自ら立ち込める雲を晴らした真昼と夜空――七夕の物語を超えて (アイカツスターズ!第十五話考察)

2016.08.07 16:23|アイカツ!
今回は、『アイカツスターズ!』第十五話の物語について考えてみたいと思います。
真昼と夜空が和解に至り、ステージで成功するまでを描いた本話。
真昼の本心は、夜空と夜中に出会う場面においてようやく直接的に示されましたが、
その実前半の二人の打合せの場面において、既に仄めかされていたと思います。

というのも、第十五話前半で、夜空が打合せのために真昼のところに来ていた場面で、
夜空の話に真昼がにべもなく返答していたところ、夜空が仕事で立ち去ろうとした途端、
真昼から「ちょっと待って!」と呼びかけた点には、
真昼の本心がよく仄めかされていたのではないでしょうか。

つまり、真昼は夜空ににべもなく答えていたのですが、
夜空が仕事で立ち去ろうとしたときには、かつて置いてかれたときのことを念頭に、
半ば無意識的に「ちょっと待って!」と呼びかけたと推量できます。
そこには、既に「見返したい」という心情以上のものが表れていました。

本当に真昼が夜空の仕事を見学したいと予め思っていたなら、
対抗心という建前の下にもっと前に示せたはずなのです。
立ち去る直前である必要性がない。
だとすれば、あの「ちょっと待って!」は、実力を確認するという建前の裏に、
咄嗟の真昼の本心を持つものであったと読めます。

また、第十四話のステージ前で、真昼がステージに駆けていく直前、
扉の前に立っている場面で、真昼が扉の正面に立たずに、
左側を開けて右側に立っている部分があります。
そこにも、もう片側に夜空に立って欲しいという本心が見出だせるかも知れません。
第十五話においては、これと対照的に、
真昼が扉の前で夜空と一緒にポーズを決めています。

第十五話は、このように一つ一つの場面に着目しても面白いのですが、
この記事では特に、第十四話から第十五話への連続した流れの中で、
二人の和解までの物語が「七夕の物語」に重ねられていたことを指摘したいと思います。
第十四話から二話にわたって続いた夜空と真昼の物語は、季節と合わせて、
七夕の彦星と織姫の物語と重ねて描かれたものであったと思います。
離れていた二人が、一緒にステージに立つまでの物語。
その中で、二人の行動によって「雲が晴れていく」表現は決定的な意味を持ちます。

つまり、第十四話では冒頭の真昼の登場とともに、
曇り空に日が差し込んでいく表現があって、
第十五話では中盤のひめが夜空の背中を押す場面で、
月にかかっていた雲が次第に晴れていく表現があり、両話間で対照的になっていました。
「雲が晴れていく」という表現は、事態が好転することを示すものとして、
一般的によく使われるものですが、第十四話と第十五話においては、
そればかりの意味を持つものでなく、七夕の物語であることを踏まえて使われていたと思います。

すなわち、七夕の物語の中で彦星と織姫は、
主に、雨が降ると七夕の日にすら会えなくなるとされているのであり、
真昼と夜空がそれぞれ「雲を晴らす」のは、お互いがお互いに会うために、
つまり第十五話での月下における邂逅のために、
道を自ら切り開いていることを象徴していると考えられるのです。

彦星と織姫は、客体的に天気という運命を享受するほかないのですが、
夜空と真昼は、自分の行動によって道を切り開いて、
本当の意味での再会を果たすという点で、
七夕の物語に重ねられながら、それを超えています。
二話にわたる雲が晴れていく表現は、このことを示していたのではないでしょうか。
それぞれ具体的に考えてみましょう。

第一に、第十四話冒頭の「雲が晴れる」描写により象徴される、真昼からのアプローチです。
真昼は、夜空と離れてしまった後、また会えるよう笹に願い事を吊るすだけでなく、
自ら打倒夜空を掲げて学園入学を果たし、実際に夜空とのステージにまでやって来ました。
オープニングで歌われているように、
夢は見るものでなく叶えるものとして、自ら道を切り開いてやって来たのです。。

第二に、第十五話の「雲が晴れる」描写により象徴される、夜空からのアプローチです。
夜空は、そうして自分に会いに来てくれた真昼に対して、今度は自分から会いに行って、
自分がS4以前に真昼の姉であることを伝えるのです。
こうして相互に道を切り開いて会いに行く構図が表されています。

第十五話で会う場所が真昼の部屋でなく中庭なのは、
第十五話単体で見れば、夜空から真昼に会いに行っているのですが、
更に大きく見れば、お互いにお互いへと会いに行っているに他ならないので、
夜空が会いに行った印象が強くなるだろう真昼の部屋を避けたのだろうと思います。

結論として、第十四話から第十五話にかけて描かれた、
真昼と夜空の和解までの物語は、七夕の物語と重ねられたものと考えられます。
しかし、七夕の物語と重ねられながら、二人は彦星と織姫を超えて、
それぞれ自ら道を切り開いて、あの月下の和解の場面に行き着いたのです。
二つの雲が晴れていく描写は、このことをこそ示していたと思います。

最後に、この二人の和解の物語の結論として、
第十五話の末尾に掲げられたお絵かきコーデの二人の絵に触れておきましょう。
第十五話のステージ上では、二人は対照的な「白」と「赤」のドレスで、
そこには、真昼の「打倒おねえちゃん」のスタンスを維持したことを見出せるのですが、
他方で真昼は、未完成の絵を「ピンク」を基調にしたドレスに塗っていたんですよね。

この「ピンク」のドレスの意味には、幅広い解釈の可能性を感じますが、
個人的には、対照的な「白」と「赤」のドレスの二人が、一つステージに立つことを踏まえて、
その中間である「ピンク」で塗ったのではないかと思料します。
夜空だけでなく真昼だけでもない、二人の作品である象徴としての、ピンク色であったのです。


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