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綾の中で併存する二つの想い ――第九話に咲くマリーゴールドの花 (ハロー!!きんいろモザイク:第九話考察)

2015.06.14 16:54|きんいろモザイク
今回は、アニメ『ハロー!!きんいろモザイク』第九話を考えていきます。
第九話は、表紙裏や幕間など、原作の部分部分を基礎とした綾と陽子の話と、
カレンとアリスが忍の家に穂乃花を連れてくる話(第四巻71ページから)で成り立っていました。
このうちこの記事では、綾と陽子の話の二面性について、お話ししていこうと思います。
第九話の綾と陽子の話は、特に綾の陽子への気持ちが際立っていました。
しかしそれは、必ずしも二人の関係だけを押し出したものではなかったのではないでしょうか。
以下このことについて、考えていこうと思います。

まず確認したいのは、綾と言えば陽子との関係が際立っていて、
つい二人の関係に注目してしまいますが、綾は同時にみんなを想っているのであり、
単に陽子だけを想っているのではないということです。
綾の珍しく素直な言葉の一つに、以前にも取り上げました、
「ペットがいなくてもみんながいるし陽子がいるもの」というものがあります。

「でも 私 ペットは必要ないわ」
「何で?」
ペットがいなくてもみんながいるし 陽子がいるもの
 それじゃあ!!」
――えっ 今のどういう意味? 私ペットってこと? (第三巻92ページ、二期三話)


これは既に二期第三話でアニメ化もされている、
アリスがペットを飼いたがる話での綾の言葉ですが、
重要なのは、綾が陽子と同様にみんなも想っていることが表れていることです。
単に「陽子がいるもの」ではありません。
綾は、「みんながいるし 陽子がいるもの」と述べるのです。
この辺りが五巻描き下ろしにおける、
忍にとって自分は大事な友達なのだろうかという不安に繋がっています。

「でも お金で買えない価値てあると思うんです
 今私があげたのは「友情という絆」です
 これからもいい友達でいてほしいという気持ち… ハートを載せました」(中略)
ありがとう しの」 (第五巻112ページ)


綾にとっては忍もかけがえのない大事な友達で、
だからこそ忍にとって自分が大事な友達なのかということを、不安に思っていると言えます。
そういうところには、陽子に向けるものとは同一でなくとも、
それと同種で並列な、綾のみんなへの想いを読み取ることができるのではないかと思います。

そのため、綾と陽子との関係だけに殊更に注目して、
綾を陽子との関係でもってのみ理解しようとすると、
綾の有している重要な側面を看過することに繋がるのではないかという気がします。
綾は、陽子との関係だけをもって語り切れるような人物ではないのです。
みんなとの関係も非常に大切にする人物として、登場しています。
そして第九話の綾と陽子の話は、綾のこの二面性を踏まえた物語であったと思います。

確かに第九話は、原作のチップスを拾い集めて繋げた、
半分オリジナルな展開の中で綾が陽子と夏休みを過ごす様を描き、
その中で綾の陽子への好意を極めて強調していましたが、
それでもあの話は、綾と陽子との関係だけを描いた話ではないのです。
綾のみんなへの想いを含んだ話となっています。

というのも、綾が夏休みの計画を立てて、
陽子と一緒に早めに宿題を終わらせようとしたのは何故かと言えば、
陽子と遊ぶ時間を増やすためとか、陽子が夏休みを楽しめるようにとか、
そういった陽子絡みの理由ではありませんでした。
綾が早く宿題を終わらせようとしたのは、「みんなとの時間のため」であったのです。

「よし! これで完璧だわ
 今年はみんなで海に行くし 宿題は早めに済ませておかないと
 これさえあれば陽子だって」 (二期第九話)


第九話で綾は、「今年はみんなで海に行くし、宿題は早めに済ませておかないと」と述べています。
綾は、みんなでの時間を楽しく過ごすためにも計画の策定に乗り出すのであり、
そこで向いている先は陽子でなくみんなであると考えられます。

第九話で描かれた、綾が陽子と一緒に過ごした時間というのは、
綾の行動の「結果」であって、「目的」ではなかったのです。
綾の行動の「目的」は、みんなと楽しい時間を過ごすことに他なりません。
換言すれば、今回描かれた陽子との時間は、
みんなでの楽しい海での時間のための、ある種の「手段」であったのです。

もちろん、綾と陽子の過ごした一日が、みんなで海で楽しく過ごすための、
手段でしかなかったというようには描かれていません。
むしろ、海で楽しく過ごすための手段として、陽子と一緒に勉強した一日が、
それはそれでかけがえのない一日になったことは、綾の言動から明らかです。
そのため、今回のサブタイトルは「とっておきの一日」であったのでしょう。
そうして綾と陽子が二人で過ごしたとっておきの一日が、
みんなで海で楽しく過ごすための一日としても提示されていたという話なのです。


だからこそ、第九話ではあれだけ綾と陽子の関係を強調しながら、
冒頭においてはマリーゴールドが出て来ているのではないでしょうか。
マリーゴールドは、二期第四話で登場していました。

「シノ この花知ってる?」
「マリーゴールドですよね」
この花の花言葉 「友情」って言うんだよ
「すてき…」 (二期第四話、第四巻14ページ)


『きんいろモザイク』が描く、みんなの関係を象徴する「友情」の花。
この花が冒頭に掲げられていることを鑑みると、第九話が綾を描くに当たって、
単に綾の陽子への想いのみを描いているわけでなくて、
五人の「友情」への想いをも描いていたと言えると思います。
第九話は、綾の中で併存する二つの大切な想いを提示しているのです。


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テーマ:きんいろモザイク
ジャンル:アニメ・コミック

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