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カレンが語らなかった本当の気持ち (ハロー!!きんいろモザイク:第七話考察)

2015.05.31 17:05|きんいろモザイク
今回は、『ハロー!!きんいろモザイク』第七話について考えます。
第七話の物語は、カレンが家出して忍の家に泊まる話(第三巻95ページから)と、
カレンが幼少期の思い出を皆に語る話(第四巻103ページから)で主に成り立っていました。
その他、カレンが母親のことを話す部分など、少し他の話(第四巻55ページから)も含んでいます。
この記事で注目するのは、カレンが幼少期の思い出を皆に語る話において、
原作から細かいアレンジが加えられていることです。

このアレンジがどのようなもので、どのような意味を持っているかを考えます。

それでは、第七話における原作からのアレンジについて考えていきます。
第七話の原作からの興味深いアレンジは、カレンの過去語りの締めである、
意外と猪突猛進で本当に日本に行ってしまったアリスに対して、
私も人のこと言えないかもデスと言う場面について、
カレンはその台詞を言ったのではなく思っただけであると明確に示していたことです。
この場面について、まずは確認しておきましょう。

「そうしてアリスは私に何も告げずに一人日本へ旅立つのデス」
「それはっ だってカレンずっと旅行中だったでしょ!」
「アリスは意外と猪突猛進デス」

でも 私も 人のこと言えないかもデス!」 (第四巻115-116ページ)


原作だと下線を引いたカレンの台詞は、吹き出しの中に書いてあるので、
皆に話していた延長で、そのことも話していたとも読めるのですが、
アニメでは明らかに話していないんですよね。

言い出しの「でも」のところで、カレンの口は動いていない。
カレンは忍のことを想って日本へと飛んでいったアリスと同じく、自分もまた猪突猛進なことに、
アリスのことを想って日本へとやってきたことをアリスたちに語らなかったのです。
カレンはアニメでは密かにそれを思うだけになっています。

ここで、カレンが自分もアリスを追って日本へとやってきたことを、
みんなに言わなかったのは、二期一話で、忍がアリスをきっかけとして、
本気で通訳者を目指し始めたことを言わなかったことに相当するものであったと思います。
二人とも、アリスがきっかけとなったということを秘密にしているのです。

つまり、二期七話でカレンは、アリスをきっかけとして日本語を本気で学び、
日本へとやってきたことをあの場で言わず、二期一話で忍は、
アリスをきっかけとして本気で通訳者を目指し始めたことをあの場で言いませんでした。
そしてこの二人の場合、黙していたことは意味があったと考えられます。

というのも、忍もカレンも、いつも割と率直であって、
アリスへの好意を表現している方なのにもかかわらず、
二人ともアリスがきっかけになったことについて、同じく黙っていた訳です。
これは、例えば綾がはっきりと素直に気持ちを伝えた場合と同等の意味があると思います。

つまり、綾が率直に伝えた自分の気持ちというのは、
彼女が普段それを伝え(られ)ないからこそ、
「それだけ綾が伝えたかった気持ち」としての意味を持っています。
綾は敢えて語ったときに、その語られた気持ちの強さが現れるのです。
次に掲げる場面は、綾が敢えて語った一例と言えるでしょう。
アリスがペットを恋しく思う話の末尾です。

「でも 私 ペットは必要ないわ」
「何で?」
ペットがいなくてもみんながいるし 陽子がいるもの
 それじゃあ!!」
――えっ 今のどういう意味? 私ペットってこと? (第三巻92ページ、二期三話)


綾は、みんなが一緒にいてくれることをとても大切に考えていて、
これについては「はずかしい」と思っても、結構率直に伝えるんですよね。
ここの他に、第五巻の最後には、次のような場面があります。

「でも お金で買えない価値てあると思うんです
 今私があげたのは「友情という絆」です
 これからもいい友達でいてほしいという気持ち… ハートを載せました」(中略)
ありがとう しの」 (第五巻112ページ)


それと同様に、忍やカレンが敢えて語らなかった自分の気持ちというのは、
二人が普段自分の気持ちを率直に伝える性質だからこそ、
「二人でも相手に秘めようと思うほどの、強い本当の気持ち」として現れてくると思うんですよね。
忍については二期一話の、ホームステイでアリスと出会って本気で通訳者になろうと思ったこと、
カレンについては二期七話の、アリスを追って日本へとやってきたこと。
ここに現れているアリスへの強い気持ちは、二人が秘めるほどに本物であったのです。

結論として、第七話においては、カレンがアリスをきっかけに、
自分も日本までやってきたことを言わなかった点が改変されていました。
通常自分の気持ちを率直に伝えるカレンが黙して語らなかったことにより、
その言葉の中に表れているアリスへの気持ちが、
如何に強く本物であったかということが表現されていたと思います。


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ジャンル:アニメ・コミック

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